二十二周目 ページ22
*
「エース、おめェあの時なぜ逃げなかった...」
ダダンにそう聞かれたとき、ブルージャムの前から"逃げない"と言った自分のことを思い出した
ルフィがやられた後ダダンが来て、他のやつにAとルフィを任せて
おれとダダンは、ブルージャムと戦った
「時々...カッと血が頭に上るんだ...逃げたら何か...大きなものを失いそうで怖くなる」
大きなもの
そう、あの時おれの中で大きかったもの＿＿
「あの時は...おれの後ろに、ルフィとAがいた」
あの時の感覚は、今でもよく分からない
でも、おれは大切なものを失わないで済んだ
なら、逃げなくてよかったと心底思う
「あと、そのAってのはおめェの女かい」
ダダンは床に伏せながらも下らない質問を飛ばしてくる
Aをここに連れてくるのは初めてだったし、存在をコイツらも知らなかったからだろうが
＿＿＿＿でも、さっきおれのこと、好きって言ってたし
頬に残る柔らかい唇の感触が忘れられず、おれは自分でも分かるくらい顔を赤くした
「お...！？！女っつーか、な、な、んつーか...まぁ」
「ケッ...マセガキが」
「う、う、うるせーよ！！」
窓の向こう側でルフィと遊んでいるA
カブト相撲なんかに夢中になりやがって...ガキかよ
"エース...私も、エースのこと好き"
さっきの言葉がフラッシュバックして、笑顔のAと重なる
あぁ...チクショウ
まさか、そんな返事が返ってくるなんて思ってもなかった
まさかこんなおれを、好きだと言ってくれる女がいるなんて
「どこで見つけたんだい、あんな上玉」
「は、はぁ！？まだ続けんのかよその話！！」
「おれも聞きてェ！！可愛いよな〜〜、Aちゃんだっけ？」
「あ！！てめェ、Aに手出すんじゃねェぞ！ってか、気安く名前呼ぶな！」
Aの話で暗い雰囲気だった部屋のなかが明るくなった時
外で何やら話し声が聞こえてきた
おれたちを探しに行ったらしいドグラが帰って来たようだ
いきなり知らない女がいるもんで、ビックリでもしたのか？
そんなのんきなことを考えているおれは、まだ幸せ者だった
無事な姿でAを見れて、好きだなんて言われて夢でも見てるかと思った
でも、これが夢ならどれだけ良かっただろう
「サボが....」
でも、酷なことに時間は決して戻らない
Aとルフィの嗚咽が止まらない中、おれは回らない頭で必死に考えた
おれの考えた"サボの幸せ"って、一体何だったんだろう
と
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りの - 本当に最高の作品でした😭もしよろしければ、「もしエースが死なずに世界を一周して帰ってきたら」の話も作って欲しいです！ (2022年8月9日 23時) (
レス) @page31 id: a323a51480 (このIDを非表示/違反報告)
お布団 - マジで泣きました、ほんとにこんなに素敵な作品を読ませていただきありがとうございます(´TωT｀)涙が止まりません(´；ω；｀) (2022年4月18日 22時) (レス) @page31 id: 69ffeb4779 (このIDを非表示/違反報告)
chocolate123112(プロフ) - コメント失礼致します。私占いツク読んで初めて泣きました(；；)素敵な作品ありがとうございます。これは書籍化されるべきだなと思いました！^^ (2019年9月12日 7時) (レス) id: d1b3e3b53e (このIDを非表示/違反報告)
ミケ(プロフ) - 番外編ありがとうございます！涙ぐみました。手紙…やばいですね。この後を想像するのもすごく楽しいです！番外編最高！！！ (2019年9月11日 2時) (レス) id: 5ea4295e7e (このIDを非表示/違反報告)
ミケ(プロフ) - コメント失礼します。素敵な作品をありがとうございました。とても感動しました。要望ですが、後日談や番外編などが読みたいです！例えばお墓参りとか……ご検討の程宜しくお願い致します！！本当にありがとうございました！！！ (2019年9月7日 23時) (レス) id: 5ea4295e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIOT(別垢にいみ)
| 作成日時：2019年8月24日 19時
