十八周目 ページ18
*
ルフィとエースくんが心配で、コッソリ後をつけたら
何やら言い争いを始め、二人が掴まれているのを見かけた
一か八か、近くのチンピラ一人に鉄パイプで殴りかかり、気絶させる
周りにいた他のチンピラも同時に倒し、二人を助けようと手を伸ばしたとき
死角にいた他の仲間に気が付かなくて、私も呆気なく捕まってしまった
私は、15歳で＿＿＿
ルフィは勿論、サボくんやエースくんよりもずっと年上なのに
私は、三人に守られてばっかりで
今だって、エースくんは私の名前を叫んでくれている
なんて不甲斐ないんだろう
なのに、こんな時なのに...私を思ってくれているエースくんやルフィの顔を見ると
嬉しくて、嬉しくて...嬉しくて仕方ない
今まで、本当に寂しかった
寂しくて、苦しいときもあったけど、三人と一緒にいるとそれが自然に和らいで
エースくんは特に、私の心をぽかぽかと温かくさせてくれて
これがどんな感情かなんて、分からないほど私も子供じゃないから
だから、君に名前を呼んで貰うのが堪らなく嬉しくて＿＿＿
「エースくん！！ルフィ！！」
そんな二人の兄弟が柱に括られたまま、遠ざかっていく
子供の私がどれだけ暴れても、大の大人でそれも海賊のこの男には敵わない
それなら、私のことはどうなってもいい、せめて二人を助けて＿＿＿
しかし、私の願いは叶うことはなく、後にそこは火の海に包まれるのだった
*
「てめェはいい女だぜ...まだガキだが、これからまだ伸び代がある。それに強いとくれば...どうだ？将来のおれの女になる気はねェか？」
「ない...です」
「そうか...なら、仕方ねェ」
グレイ・ターミナルに次々と火が放たれる中、私の首根っこを掴んで連れ回していたブルージャムは私を何度も殴った
これから貴族になるはずだったというこの男、王政府に騙されてここで死ぬしか道がないという
＿＿＿ルフィ...エースくん...無事でいて
何度も殴られて、意識が何度も飛びそうになった
その度にさっきの場所で熱さに耐えている二人を思い浮かべ、助けなければと暗示をかける
早く助けないと、みんな死んじゃう...！
「え！！？」
「...！？ブルージャム！！！」
薄れる視界の中、遠くに立つ二人の影が見えた
二人は、呆然と私とブルージャムを見比べて手に握った鉄パイプに力を込めている
ダメ...コイツらにはもう、構わなくていい
だから早く、この火の海から逃げて＿＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 462人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りの - 本当に最高の作品でした😭もしよろしければ、「もしエースが死なずに世界を一周して帰ってきたら」の話も作って欲しいです！ (2022年8月9日 23時) (
レス) @page31 id: a323a51480 (このIDを非表示/違反報告)
お布団 - マジで泣きました、ほんとにこんなに素敵な作品を読ませていただきありがとうございます(´TωT｀)涙が止まりません(´；ω；｀) (2022年4月18日 22時) (レス) @page31 id: 69ffeb4779 (このIDを非表示/違反報告)
chocolate123112(プロフ) - コメント失礼致します。私占いツク読んで初めて泣きました(；；)素敵な作品ありがとうございます。これは書籍化されるべきだなと思いました！^^ (2019年9月12日 7時) (レス) id: d1b3e3b53e (このIDを非表示/違反報告)
ミケ(プロフ) - 番外編ありがとうございます！涙ぐみました。手紙…やばいですね。この後を想像するのもすごく楽しいです！番外編最高！！！ (2019年9月11日 2時) (レス) id: 5ea4295e7e (このIDを非表示/違反報告)
ミケ(プロフ) - コメント失礼します。素敵な作品をありがとうございました。とても感動しました。要望ですが、後日談や番外編などが読みたいです！例えばお墓参りとか……ご検討の程宜しくお願い致します！！本当にありがとうございました！！！ (2019年9月7日 23時) (レス) id: 5ea4295e7e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RIOT(別垢にいみ)
| 作成日時：2019年8月24日 19時
