十六周目 ページ16
*
「痛っ...ごめんね、おんぶして貰っちゃって。重いでしょ、もう下ろしてだいじょ＿＿」
「お前、何で彼処に来たんだよ」
おれは、背負っていたAに冷たくそう言った
故意に冷たく言おうとした訳じゃない
でも、実際に自分が恐れていたことが目の前で起こりそうになって＿＿＿＿
どうしようもなく、カッとなった
「いつもは、みんな早く帰ってくるのに...今日は遅くて＿＿何かあったんじゃないかって、心配になって」
「だったら、何であんなチンピラに絡まれてんだよ」
「エースくんたちを探してたら、急に足を」
そうだ、話を聞く限りコイツは何も悪くない
悪いのはあのクズだ、さっきボコボコにしたが、まだしたりねェ
Aの足はよっぽど強く掴まれたのか、紫に変色している
だから、嫌だった
お前を傷つけたくなかった、知らない男に掴まれて＿＿＿
それを考えただけで、吐き気がする、イライラする！！
「...サボくんは？」
「あァ...まず、サボの話からしなきゃならねェな」
「サボォ...」
「ルフィ、ウジウジ泣いてんじゃねェよ！！」
ルフィはAの服の裾を握って、泣いている
ルフィのことに関して目敏いAは、ルフィのその顔を見ると不安そうな顔をおれの首の横から出した
＿＿＿＿一体、なにから説明すればいいかなんて...おれにも分かんねェよ
*
「サボくんが...？！」
「おれもアイツが居ないのはイヤだ...でも、アイツの幸せがおれには何なのか、分かんねェから」
「おれは、待つ。ホントに嫌なら、多分また戻ってくるから」
Aは昼の話を黙って聞いてた
Aには、サボが貴族の息子だって言ってなかったから驚いてたけど＿＿＿
それよりも、その場に自分もいてやれなかったことを、何か後悔してるみたいだった
Aは泣きつかれて寝たルフィの髪を優しく撫でながら、一緒に寝転がっていたおれを真っ直ぐ見た
初めて見るようなAの大人っぽい顔に、心臓がドキリと音を立てる
「エースくんは、ルフィのお兄ちゃんだから...サボくんが居なくて寂しいの我慢してる」
「寂しいけど...別に我慢なんか」
「泣いてもいいんだよ、兄弟と離れ離れになったら、誰だって寂しいよ。私だって、寂しい、会いたいよ」
ポタ、ポタとおれの瞳から涙が垂れる
＿＿＿泣くつもりなんてなかったのに、止まれ...止まれ！！
そう願っても、流れ出した涙は止まらない
気づいたらAも静かに泣いてて
おれがいるから、ずっと一緒にいるから
だから、泣くなよって
言いたかった
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りの - 本当に最高の作品でした😭もしよろしければ、「もしエースが死なずに世界を一周して帰ってきたら」の話も作って欲しいです！ (2022年8月9日 23時) (
レス) @page31 id: a323a51480 (このIDを非表示/違反報告)
お布団 - マジで泣きました、ほんとにこんなに素敵な作品を読ませていただきありがとうございます(´TωT｀)涙が止まりません(´；ω；｀) (2022年4月18日 22時) (レス) @page31 id: 69ffeb4779 (このIDを非表示/違反報告)
chocolate123112(プロフ) - コメント失礼致します。私占いツク読んで初めて泣きました(；；)素敵な作品ありがとうございます。これは書籍化されるべきだなと思いました！^^ (2019年9月12日 7時) (レス) id: d1b3e3b53e (このIDを非表示/違反報告)
ミケ(プロフ) - 番外編ありがとうございます！涙ぐみました。手紙…やばいですね。この後を想像するのもすごく楽しいです！番外編最高！！！ (2019年9月11日 2時) (レス) id: 5ea4295e7e (このIDを非表示/違反報告)
ミケ(プロフ) - コメント失礼します。素敵な作品をありがとうございました。とても感動しました。要望ですが、後日談や番外編などが読みたいです！例えばお墓参りとか……ご検討の程宜しくお願い致します！！本当にありがとうございました！！！ (2019年9月7日 23時) (レス) id: 5ea4295e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIOT(別垢にいみ)
| 作成日時：2019年8月24日 19時
