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ASide
痛い。痛い。痛い痛い痛い痛い。
私が目を覚ますと、激痛が襲うと同時に姉さまの顔が見えた。
「……ねえ、さま？」
私なんか誰も手当てしているはずがない、だから、姉さまにやってもらいたかったのか、その気持ちから見えてしまった幻覚かもしれない。
「あれ、ちゃんと手当てされてる。」
驚いて起き上がろうとする。
「まだ動かないでください。怪我を負ったばかりでしょう。」
「え。」
喋った？
「まさか、本当の姉さまなのですか？」
「私は胡蝶しのぶですよ。偽物はいません。」
「そう、ですよね……」
幻覚ではなかったのか。
「何の用、っ、ですか？」
喋ると傷口が痛む。
「……姉さま？」
黙ったままの姉さま。
「……姉さま、泣いている、のですか。」
下を向いている姉さまの顔を覗き込むと、姉さまが泣いていることに気付いた。
「……この前、あなたと口論しましたね。」
「え、はい……？」
「あのとき、あなたが言った言葉に私は答えられなかった。
図星だったからです。」
ちゃんと言われるとグサッとくる。
「ですが、そんなはずはないんだと思い知りました。あなたが重症だと聞いて、私は、」
姉さまはまた大粒の涙を流した。
「あなたも失ってしまうのかと思うと怖かった。」
「……！」
「今までのは八つ当たりだったんです。ただ、姉さん達がもしこれなら死んでなかったのにと、誰かのせいにしたかっただけ。
あなたも同じくらい大切だったはずなのに。」
姉さまがポツリ、ポツリと言う言葉に私は目を見開いた。
私の目からも大粒の涙が流れる。
「……いいんです。そんなこと思わせる、私が悪いんです。」
「いいえ、Aが悪いわけがない！」
突然大声を出す姉さまに驚く。
「私の心が弱かった。だから何も悪くない妹に八つ当たりをした。
今までのこと、許してください。」
「……許すもなにもないですよ。」
「ですよね、今までさんざんひどい行為をしてきましたから。許してもらおうなんて図々しすぎました……」
「違います。」
私は姉さまの言葉をさえぎる。
「私はもとから姉さまが大好きです。どんなに妹じゃないと言われようと嫌いにはなれなかった。
だから、もう一度、やり直しませんか。」
私は姉さまの手を握って言う。
「いいん、ですか……？」
姉さまが顔をあげる。
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ゆいな(プロフ) - ｢胡蝶家末妹は出来損ない｣がすきでみてみたんですけど、仲直りしたバージョンもみてみたかったので最高でした！！ (2020年9月11日 18時) (
レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - tearさん» そう言っていただけると嬉しいです！読んでくださりありがとうございます！ (2020年5月3日 10時) (レス) id: 605ee28b22 (このIDを非表示/違反報告)
tear - 小夜子さんの作品につながっていてとても読みやすいし繋げ方が凄いなと思いました！これからも頑張ってください！ (2020年5月3日 2時) (レス) id: 3464928215 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 小夜子さん» あああ、見てくださってありがとうございます！作者様の作品が素晴らしいから想像が膨らんだんです！褒めてくださって光栄です！ (2020年5月1日 11時) (レス) id: 605ee28b22 (このIDを非表示/違反報告)
小夜子(プロフ) - 素晴らしい作品をありがとうございます！夢主が生きていた、しのぶさんと和解したというifストーリー、とても興味深く面白かったです！！最終的にハッピーエンドの物語も素晴らしいですね！感動できる、もうひとつの物語をありがとうございました！ (2020年5月1日 11時) (レス) id: 0e3f862edb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛 | 作成日時：2020年5月1日 11時
