常夏《赤》

#49 ページ49

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『彼のことが、好きなんです』





知ってしまった、部長の想い。





「A」





そう呼んでくれるあなたが、大好きなのに。


どうしてこうも、すれ違ってしまうのでしょうか。





「きっと、私みたいに捻くれてないからね」





自分自身に必死で、気づかなかった。

私を羨む、先輩のもう一つの恋心。





『大毅くんのことになると、本当に、ばかなんじゃないのって思うことにも、真剣になる』





子どものときとは少し違う。

甘くて、それでいて苦い恋心。



乗り越えてこそが、君とのたった一つの恋なんだ。






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