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『あ、ありがとう』
「慣れなさすぎやろ。どういたしまして」
タメ口にしてとお願いされたって、年上の人に対して敬語は中々抜けない。
でも同じ立場だということが、すごく嬉しい。
『あ、の』
「ん?」
まだ離れたくない。
そんな我儘、言えそうで言えなくて。
ちょん、と掴んだ服の裾。
待ってくれる大毅くんは、絶対に優しい人だ。
『泊まって、いかない?』
自分でも中々の爆弾発言をしたと思う。
その言葉の重さに後から気づいて、「いや、そういう意味じゃなくて」と慌てて訂正。
『あの、ごめんなさい、やっぱり…』
「逆にええの?」
『へ?』
「そう言ってくれるんはめっちゃ嬉しいけど、Aに何するか分からんよ?」
いたずらに笑って、そう茶化される。
私だって子供じゃない。
キス以外の経験はないけど、大毅くんが言った意味も分からなくはない。
でも、一緒にいたい。好きな人だから。
『いい、です。大毅くんになら、別にいいです』
なにも返ってこないのが少し苦しくて。
段々俯きがちになってきた顔を、頬に両手を添えて、大毅くんが上に上げた。
「…はあ、ほんま、簡単にそんなこと言うたあかん。
やけど寂しそうやから今日は甘えるな」
『ほ、本当に?』
「帰ってほしい?」
『あ、や、違くて…』
「ふふっ、嘘やって」
むぎゅっと押し潰された頬。
嬉しそうに笑う大毅くんに私もつられて微笑んだ。
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