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『…美味しい』

「ほんまに?よかったあ」





あなたが作ったわけじゃないでしょ。


そうツッコみかけて、口を噤む。





「それ飲み終わったら、帰す」

『…変なものとか入れてませんよね』

「入れてへんよ」

『…』

「信じてへんやん」





さっきまで向かいのソファーに座っていた彼が徐々に距離を詰めてくる。


ああ、こうやって酔った女性を…





『へ、』

「信じた?」





ぎゅっと瞑った目をゆっくり開ける。


彼が口づけたのはカクテルグラスの縁。
それも、私が口をつけた方と真逆。





「まだ疑ってるん?」

『あ、いや…』





グラスを傾けるために重ねられた手が、呆気なく離れていく。


ほんの少しだけ、寂しい。





『…なんていうカクテルですか、これ』





沈黙が嫌で、なんとなく投げかけた。





「バイオレット・フィズ」





そう答えた彼は、どこか苦しそうに笑って、私を立たせた。





「ほれ、もう帰り」

『え?』

「あともう少しで絡まれる時間帯。
真っ直ぐ帰れた方がええやろ」





今度は優しく、背中をとんっと押される。


階段を降りる間も、彼のことが離れないでいた。





『バイオレット・フィズ、だっけ』





ふと思い出した、彼と私を結ぶ唯一の手がかり。

今の時代は便利だ。
携帯を使えば情報が二つも三つもすぐに出てくる。


帰り道。

歩きスマホはいけないと分かっていても、家までは待てなかった。


暗い路地を照らすように、青白い光を受ける。





『え……』





期待してもいいですか。

またあなたに会いに行っても、いい?





『覚えていてください、って、』





彼との記憶を引っ張り出す。


やけに印象に残っていたのは、透き通った紫色だった。






___Fin

「橙」方程式を勝手に作るな。→←「紫」私を覚えていてください。



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設定キーワード:ジャニーズWEST , 短編集 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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一波(プロフ) - お返事ありがとうございます!こちらこそ面白いお話ありがとうございます!これからも楽しみに待ってます! (10月4日 23時) (レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 一波さん» ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです、頑張ります!こちらこそ閲読いただいてありがとうございます! (10月4日 19時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 私を覚えていてください。今読みました!すっごく後に引くお話だったので新作として書いてくれるの嬉しいです!ステキなお話ありがとうございました。 (10月4日 0時) (レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 山田侑李さん» コメントありがとうございます。そう言って貰えてよかったです、嬉しいです!了解しました! (7月15日 15時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
山田侑李 - すごく面白くてこの小説好きです!特に「癒してほしいのです。」のしげちゃんが可愛かったです!癒した後の照れてたり甘いしげちゃんが可愛かったです!リクで大人な淳太くんが疲れて彼女に甘える話が見たいです! (7月15日 14時) (レス) id: 8286031f0a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凜憧 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年3月16日 0時

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