「好き」をあなたに。

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『だーいき』

「ん、」

『まだ照れてるの？』

「照れてへんし」





二人だけの教室。

制服のポケットからはみ出したお揃いのストラップに思わず頬が緩む。


昨日、なんの記念日でもないのに言われた言葉。


″ 今年の誕生日、名字あげるわ ″

そんなキザなこと大毅が言うなんて思ってもなくて、じっと大毅を見つめて動けなかった私に
大毅はアホって頭を軽く小突いてきた。


帰り道なのに、嬉しくて抱きついたっけ。





『ふふ、婚約ストラップだね』

「ちゃんと渡すやんか」

『こっちの方が大毅らしくて嬉しいけどなあ。
一緒にいられるだけで充分だし』

「おまっ、ほんまに、さあ」





大毅のいろんな横顔を毎日見られることが、今一番の楽しみなこと。

特に、照れた顔かな。


ねえ大毅。婚約者っていい響きだね。





『楽しみだなぁ』

「俺も楽しみやわ。Aのドレス姿」

『…なに、いきなり』

「自分やって照れるんやん笑」





結局は二人でおかしくなって笑って。

お互いに相手にしか見せない顔があるっていうのも、悪くないし、なんなら嬉しい。


この口づけだって、私だけ。

大毅が旦那さんならきっと幸せだろうな。





「好きやで」





滅多に言わない言葉を言ったかと思いきや、さっさとカバンを肩にかけて廊下まで出ていって。

忙しいな、なんて笑いながらも、幸せなことばかりが続く毎日に心が温かくなった。





『うん。私も好き』





まだ高校生だって、なんだって。


将来の旦那さんはもうあなた以外考えられない。

なんて言ったら、君はどんな顔をするんだろうね。






「リンゴ飴 様
重岡くんで学生同士の婚約」

___Fin

「緑」金髪イケメン、神山くん。→←『赤』私たちらしくそのままで。

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