「橙」花言葉は曖昧で。 ページ2
Main __ K.Akito
『桐山先輩』
「おう、なんや?」
『資料作り終えました』
「見してみ。…お、ようできとる。ありがとうな」
先輩のデスクへ行くといつも目を引くもの。
それは、花を咲かせる小さなサボテン。
…可愛いけど。先輩。女子ですか?
『大事に育ててますね』
「水やりしとるからなぁ」
ちっこくて可愛ええやろ?なんて、私の方をチラリと見て言うものだから。
仕方ないよね、睨んでしまうのは。
こう見えても結構気にしてるのに、背が低いこと。
『女を敵に回すと怖いですよ』
「ええっ、嘘やって!冗談!」
『知ってます。私も冗談です』
「なんや、びっくりした…嫌われたんかと思った」
『…それは、ないですね』
だって好きだもん。
一目惚れ、って言ったら笑われそうだけど、この課に来てから一番最初に出会ったのは桐山先輩で。
話してすぐ、「あ、落ちたかも」って思った。
かも、っていうのは、一緒にいるにつれてなくなっていったけど。
あったかい励ましと犬みたいな笑顔。
後輩の私が言えないけど、可愛いなって思って。
つい目で追ってしまう日々を過ごすばかり。
「まあでも、女の子は身長高くても佇まい綺麗やし、小さくても可愛ええもんやけどな」
ほら、すぐそうやって喜ばせにくる。
先輩の一言の持つ影響力、どれぐらいあるのか本当に分かってるんですか。
少なくともこの課にいる女性全員に響くんですよ。
『先輩は、サボテンみたいに小さくて可愛い人の方が好きですか?』
何気なく、聞いてみる。
「んー… どうやろな」
『あ。逃げた』
「今は仕事やもん。代わりにこのサボテンあげるわ」
『え』
「ちょっと待ってなあ」
そう言って付箋を取ったと思ったら、なにかを書いて小さな植木鉢に貼り付けた。
「見るのはデスク行ってからやで?」
そうイタズラに笑うから、ペコリと頭を下げて自分のデスクへ戻る。
付箋が見えるようにしてサボテンを机に置くと男の人らしい文字で「花言葉」と書いてあった。
サボテンの花言葉は知らない。
仕事中なのに…と思いつつ、携帯を開いた。
『……え?』
思わず先輩の方を振り向くと、何事もなかったようにパソコンに向かっている。
それは、ズルい。
先輩の気持ち、余計に分からないよ。
「サボテンの花言葉」
燃える心、偉大、暖かい心…
" 枯れない愛 "
___Fin
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凜憧(プロフ) - 一波さん» 一波さん!いつもありがとうございます(´ー`)こちらこそ、今年も沢山の励みをありがとうございました!一波さんも良いお年を(^ワ^=) (2019年12月22日 15時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - のんちゃんの最新作両片思いで焦れったくても〜!って、やきもきしちゃいました!今年も素敵なお話たくさんありがとうございました(^^)よいお年を(^^)素敵な (2019年12月22日 6時) (レス) id: b7aae62310 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - お返事ありがとうございます!こちらこそ面白いお話ありがとうございます!これからも楽しみに待ってます! (2019年10月4日 23時) (レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 一波さん» ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです、頑張ります!こちらこそ閲読いただいてありがとうございます! (2019年10月4日 19時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 私を覚えていてください。今読みました!すっごく後に引くお話だったので新作として書いてくれるの嬉しいです!ステキなお話ありがとうございました。 (2019年10月4日 0時) (レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
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