YSSB #33 ページ34
___ Side for D.
「はぁ、っ、どこや、」
思いの外、邪魔をする服。
寄ってくる女を増やすための道具。
そう言ってしまえば、聞こえは悪いのかもしれない。
ただ着飾るためだけに着ているようなそれに
こんなにも苛立ったのは初めてだ。
思うように動けないのが、もどかしかった。
「っ、あ、」
浮いた制服。
喉まで上がった声は
彼女の視線の先を見て詰まってしまう。
すぐに隣に行けないことが
はっきりとした自分の弱さだと気づいた。
『と、も』
諦めきれない。
このままこの弱さを放っておいたら
またすれ違って、あのときの二の舞になる。
そう思った瞬間、止まった足はすんなり動いて。
立ち竦む彼女の腕を自分の方に引き寄せた。
『だい、き、』
「トモは俺が対処するから、俺の部屋戻っとけ。
…またあとで、言いたいことがある」
『っ、分かった』
そう言えば
怯えた顔から一転して、安心したように笑った。
彼女をそっと背後に回してトモと向き合う。
彼女の怯えていた理由は、すぐに分かった。
「…また横取りするん？
もうしげに好き放題されんのはうんざりやわ」
笑気を失ったような瞳。
それとは反対に上がっている口角。
それがトモだとは到底思えないほどに、歪んでいた。
「トモ、」
「今さらなんやねん、言い訳しに来たんか？」
「…んなわけあるか。
華奈のことは俺が悪かった。でもあれは誤解や」
「だからなんだって言うん？俺はただ、」
「神ちゃん！」
はっとしたように見開かれた目。
少しずつ神ちゃんを取り戻していく瞳の奥からは、
大粒の涙が零れ落ちていた。
「信じられへんのは分かった。
…やけど、あいつは、Aは。
華奈のこととは無関係や。巻き込むのは、違うやろ」
" ………、華奈 "
あのとき、一秒でも遅れていたら。
間違いなくトモは、Aを心身共に壊していた。
寂しげに見つめていたあの視線は
どう考えたって愛する人に向けるようなもので。
重ねていたことは、一瞬で理解できた。
「言い訳に聞こえるかもしらんけど
華奈とは、ほんまに何もない」
「っ、…」
「Aは俺を変えてくれた人や。
絶対に離したくない」
「やから、頼む。あいつだけは…」
「Aだけは、奪わんでや」
俺を想ってくれているのなら
あいつを守るのが俺の役目やと思うから。
初めて、ずっと傍にいてほしいと思えた人を
失うわけにはいかない。
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◎し げ ち ゃ ん 民 ＿(プロフ) - ちゃんとL○○○もできたし大丈夫よ！また読みに来るーー(･･) (2019年2月18日 0時) (
レス) id: ab408f8195 (このIDを非表示/違反報告)
ピーチグレープジャス民ティー(プロフ) - 凜憧さん» いえいえ！全然大丈夫です！！焦らず投稿者さんのペースでいいので、私は影で応援させていただきます…！！ (2019年2月16日 22時) (レス) id: 488bd9d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - ◎し げ ち ゃ ん 民 ＿さん» 莉奈ああああっ！携帯取られてて何もできんかった…ごめんね… 読みきてくれてありがと！ (2019年2月16日 20時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - ピーチグレープジャス民ティーさん» お返事遅くなってごめんなさい！そう言ってもらえて嬉しいです！頑張らせていただきます！！ (2019年2月16日 20時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
◎し げ ち ゃ ん 民 ＿(プロフ) - ゆーり…？ 久しぶりに読みに来た(*´∀`*) (2019年2月11日 23時) (レス) id: ab408f8195 (このIDを非表示/違反報告)
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