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YSSB #17 ページ18

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『んっ、』





心に漬け込むような、
優しくて、でも少し強引な口付け。

なんとなく、トモさんらしいな。なんて。



トモさんから香った匂いに酔いそうで。

絡ませられた舌に何かを錯覚しそうで。


壁を背に、ゆっくりと目を閉じた。





「…A」

「って、呼んでええ?」





高すぎず低すぎない甘い声。

こくっと頷けば、
安心したようにふにゃりと笑って。


何人の人を落としてきたんだろうって、思った。





「ともって呼んで」

『とも?』

「ん。よくできました」





ご褒美とでも言うように
角度を変えて、目が回るくらいにキスをする。


それがどこか心地よくて。

体がジンジンと熱い。


準備なんてとっくに整ってる。
戻るなんて、止まるなんて、できない。





『ひゃ、ん、』

「めっちゃ綺麗な顔しとるよ、今」





妖艶に笑った彼に、胸が高鳴る。


狂い咲く一瞬までは、一直線。
敷かれたレールに乗って少しずつ快楽を得ていく。


移動した先で私を見下げるともを
優艶、とでも言おうかな。



彼に触れられた素肌が
なぞられた頬のラインが
火照ったように熱を帯びるから。

垂れ下がる彼の綺麗な髪にさえ、気持ちが高ぶる。





『と、も』

「なに?」

『抱いて、』





鎖骨につけられた赤い花が、疼く。


いつの間にか露わになった素肌に触れる唇が
柔らかくて、優しくて。

声が堪えられない。





「ふふ、可愛ええやん」





食べるようなキスが、始めの合図。


どこかでかかっていたブレーキを外せば、
壊れゆくのは簡単で。


体を委ねて、左右に、前後に。

揺れ躍る様はきっと、淫ら。
ハメを外しすぎたようなそんな姿。






『や、っあ、』





高くて甘い声。

ストップをかけようにも、
彼が抑えさせてはくれなくて。





「Aは俺のものやで」





そう囁かれて、襲ってくる波。


快楽に飲み込まれた私には、分からなかった。





「ふ、」





ともが口元に笑みを浮かべていたことも。





「…っ、」





小さく響いた、グラスの割れる音も。

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◎し げ ち ゃ ん 民 _(プロフ) - ちゃんとL○○○もできたし大丈夫よ!また読みに来るーー(・・) (2019年2月18日 0時) (レス) id: ab408f8195 (このIDを非表示/違反報告)
ピーチグレープジャス民ティー(プロフ) - 凜憧さん» いえいえ!全然大丈夫です!!焦らず投稿者さんのペースでいいので、私は影で応援させていただきます…!! (2019年2月16日 22時) (レス) id: 488bd9d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - ◎し げ ち ゃ ん 民 _さん» 莉奈ああああっ!携帯取られてて何もできんかった…ごめんね… 読みきてくれてありがと! (2019年2月16日 20時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - ピーチグレープジャス民ティーさん» お返事遅くなってごめんなさい!そう言ってもらえて嬉しいです!頑張らせていただきます!! (2019年2月16日 20時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
◎し げ ち ゃ ん 民 _(プロフ) - ゆーり…? 久しぶりに読みに来た(*´∀`*) (2019年2月11日 23時) (レス) id: ab408f8195 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凜憧 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年12月17日 16時

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