おはよう、今日も好きです。《赤》

#6 勘違いは禁物。 ページ6

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『あ、ねえ！ここから分かれない？』

「え？なに急に」





驚く神ちゃんへのサプライズ、なんてことは言えるはずもなくて、慌てて重岡へ目を向ける。

もう一度ため息をついて、私の肩に手を置いた重岡。





『へっ、』

「俺と回りたいんやって、こいつ。
それに神ちゃんも言いたいことあるみたいやし、行ってきたら？」

「あー。じゃあ…また、あとで」





照れくさそうにそう言った結。

後ろを向いた神ちゃんが振り返って重岡に「ありがとう」と口パクをする。


なんだ、両想いなんじゃん。


おめでとうって祝いたい気持ちもあるけど、なんで気づかなかったんだろうって少し悔しい。


でもそれ以前に、重岡の切なそうな目に私まで切ない気持ちになる。



…重岡の二人を見る目、恋してる。


そうだよね。
近くに可愛い結がいるんだもん。

私になんか、振り向いてくれるわけないや。




これ以上は泣いてしまいそうで、重岡に思わず声をかけた。





『重岡、肩』

「あ…わりい。さっきの二人にする口実やから」

『…分かってるって。ほら、行こう？』

「おん」





そう、あれは二人を思っての言葉。


私を想って言った言葉じゃないんだから。

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