おはよう、今日も好きです。《赤》

#21 おはよう、好き…です！ ページ21

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『し…大毅！』

「重岡て言いかけたやん」

『気のせい』

「…ふーん。別にええけど。
今日はいつものはないん？」

『いつもの？』





幸せな気分で学校に行けば、いつも通り。

し…じゃなくて大毅の姿が。


慣れないなあ、未だに。
昨日の夜、帰ってから何度頬を抓ったことか。





『あ、おはよう？』

「…覚えてへんならええし」

『ええ、他になんかあった？』

「好きって言ってほしいんちゃう？」

『あ、神ちゃん。おはよ！
…って、え？そうなの？大毅』

「っ、別に！ちゃうし！」

「天邪鬼やなぁ」





そっか、彼女…なんだもんね。

でも毎朝好きって言っていいもんなのかな？
迷惑じゃないのかな？

現に憂鬱って言われてたし…
でも今めっちゃこっち見てるし…！


ど、どうしたらいいんだこれ。





『今日も好き…です』

「ふはっ、なんで敬語？」

『や、なんとなく』

「〜っ、」

「照れとんかい」





先に行ってしまった彼を追いかければ、後ろから見える耳は少し赤いような気がして。

シャイ岡健在か、なんて笑ってしまった。





『大毅』

「なに」

『好きだよ』

「…知っとる」

『大毅は？』

「はっ？」

『私のことどう思ってる？』





ニヤニヤしながら聞けば、顔まで真っ赤にしてアホかって怒られる。

照れてる、可愛い。


なになにー？としつこく聞いてみても、ぼそっと呟くように言うから聞こえなくて。

ちゃんと言ってほしくて何度も聞いてみる。





『ねえ、大毅ってばー』

「あーも、うるっさいな」

『え？わっ、』

「愛してんで」

『なっ、え？だ、大毅今、』

「うるさい聞かんかったことにしろ！」

『無理！録音したいもう一回言って！』

「はあ！？嫌に決まってるやろ！」





ぐいっと引き寄せられたかと思えば、耳打ちで愛してるだなんて。


もうこの破壊力やばくない？ねえ。

また照れてるところも可愛いけどね。





『大毅！』

「なんや」

『好きだよ』

「ん。…俺も、好きやで」





「おはよう」と「好き」

お決まりごとの朝の挨拶が二つに増えた、付き合って二日目の朝。



昨日にも増して、今日も好きだよ。大毅。

ずっと、離さないでね。






___Fin

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