▽5 お昼のお誘い ページ5
.
「なんかAのこと呼んでるよ？」
『えっ、』
お昼休み。
いつも一緒に食べている藤井は委員会があるらしく、一人で食べようと思っていた矢先。
ドアの前に立っているのは、朝のあの子。
教えてくれたクラスメイトにお礼を言って、ドアの前まで駆け足。
私が近づくと、重岡くんは太陽みたいに笑った。
『重岡くん、』
「俺の名前覚えてくれたんですか！」
『あ、うん。…じゃなくて！
ここ三年の階だよ？なんでいるの？』
「いや、大したことやないんですけどね。
A先輩とお昼食べたいなー、って、思って」
へへ、と照れくさそうに笑う重岡くん。
ダメだ、可愛い。
『さ、さすがに場所変えよっか。
ここだと目立つからさ、中庭でも行こう？』
「え、食べてくれるんですか？」
『移動してくれるなら、まあ』
「ほんまに！？」
嬉しそうだなあ。
ブンブン振ってる尻尾が見える。
あ、ピンと立った耳もある。
犬みたい。可愛い。
『重岡くん』
「はい！」
『ちょっとお手してみて』
「お手？」
『うん、はい』
「わんっ」
あ、やばい。めちゃくちゃ可愛い。可愛いの大渋滞。
『ふふ、重岡くん可愛いね』
「！！」
つい、犬にやるみたいに頭を撫でてしまった。
はっと気づいて、慌ててごめんと謝る。
重岡くんの顔はなぜか真っ赤で。
い、いえ、と返し方もしどろもどろ。
『あの、触られるのとか嫌な人？』
「え、あ、ちゃいます！
A先輩やから、なんかくすぐったくて、」
私だからくすぐったいってどういうこと。
精神的に？いやなに言ってんだ私。
心がくすぐったいってどういう状況よ。
うーん、と頭を悩ませていると、ふと横から聞こえる笑い声。
特徴的な笑窪に、また可愛さが増す。
「せーんぱい」
『ん？』
「好きです」
『へっ、』
いたずらっ子みたいに笑った重岡くん。
胸の奥がキュンと鳴った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 501人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凜憧(プロフ) - ぽてとふらい。さん» うん、ありがとうね笑 その言葉を励みに更新頑張ります(^ワ^=) (2019年7月29日 15時) (
レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - 好きです。(唐突)(話が好きすぎて言葉でない)(とりあえず告白を)(無理せずゆっくりでもいいから更新頑張れ)(待ってるで私は)もう一度、好きです。 (2019年7月29日 14時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
