▽31 夏恋注意報 ページ31
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「え、あの、先輩?」
『っ、うう、重岡くんのばかあっ、』
「え、え、ちょっ、え?」
「…しげのアホ。
しげのせいで俺振られたんやけど!!」
「重岡、お前とりあえず事情聴取」
好きだと認めたら、もう「好き」しか思いつかない。
隣にいたあの子のこととか、重岡くんの返事とか。
もうそんなの、正直どうでもよくなって。
ただただ込み上げる涙を流すだけ。
あたふたする重岡くん。
今さら遅いのかもしれない。
もう嫌いになられてるかもしれない。
でも、でもそれでも一緒にいたくて。
その真っ赤な顔を、私だけに見せてほしくて。
『重岡くん』
「え、あ、はい」
『あなたの隣にいたいです』
「っ、!!」
確か、始まりはこんな言葉からだった。
公開告白なんてされて、最悪だと思ってた。
恋したいと言ったものの、私の理想っていうかイメージとはかけ離れたような、そんな始まり方で。
でも優しさと明るさ、無邪気な笑顔が、いつの間にか私の考えることの半分以上を占めていって。
『重岡くんのことが、好き。
…私と、付き合ってくれませんか』
仕草も行動も、なにもかも。
気づいたら、虜になってた。
「…先輩、」
「アホやな、普通それは男から言うもんやって」
考えられないって思ってたのに。
「泣かせて、ごめんなさい。
ほんまは…ほんまは俺、先輩のこと大好きやねん」
私の好きな人に、君はなってしまったね。
『っ、な、』
「ふはっ、照れてるん?
そんなとこもかわええけど。な?せーんぱい」
『か、からかわないでよ、私年上なんだからね!!』
でも年下のくせにちょっとムカつくから。
「照れてる照れてる」
『照れてないっ!!』
夏。
文化祭を間近に控えた真夏よりもちょっと前。
「…俺ら置いてけぼりやんな」
「ま、ええんちゃう。
もうすぐ文化祭やし望も新しい人見つけ」
「先輩よりドストライクの人おらんもん…」
君との恋は、夏恋とは言いきらずに。
一歩手前の、夏恋注意報くらいにしておこうかな。
___Fin
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凜憧(プロフ) - ぽてとふらい。さん» うん、ありがとうね笑 その言葉を励みに更新頑張ります(^ワ^=) (2019年7月29日 15時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - 好きです。(唐突)(話が好きすぎて言葉でない)(とりあえず告白を)(無理せずゆっくりでもいいから更新頑張れ)(待ってるで私は)もう一度、好きです。 (2019年7月29日 14時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
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