▽20 雨の日の優しさ ページ20
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『うげ、雨じゃん…』
あれから数週間。
五月ともなれば、段々と梅雨は近づいてくるわけで。
ジメジメした空気に髪を乱す湿気。
…敵。ものすごく大敵。
「先輩？なにしてはるんですか」
『あ、重岡くん。おはよ。
手ぐしが通らないから頭振ってた』
「猫みたいに見えますよ」
『猫なら可愛いからいいよ』
重岡くんとは相変わらず。
でも最近は減ったなあ。
「好き」って言われること。
寂しい、なんてことは思わないけど、やっぱちょっと変な感じ。
『重岡くんこそ。びしょ濡れじゃん』
「ここまで走ってきたんで」
『風邪ひくよ？そんなことしてたら。
ていうか、それで電車の席に座っちゃダメだから！』
持っていたタオルを手渡す。
少し戸惑いながらも、受け取ってくれた重岡くん。
わしゃわしゃと髪を拭くその姿は、まるで犬。
可愛いな、こんな犬なら飼いたい。
よかった。タオル持ってて。
「あの、先輩、ありがとうございます。
明日洗って返します！」
『え、いいよ？そんなことしなくて』
「俺が嫌やもん」
『…じゃあ、お願いします』
「はい！」
この様子だと傘も持ってきてないな、この子。
『ほら、なにぼーっとしてるの。
乗る電車来たよ？』
「え？あ、すみません」
『いや、別にいいけど』
最近、ぼーっとすることが増えた。
重岡くん、なんか悩み事でもあるのかな…
『今日はどこ行こうかー』
「映画とか？」
『お、いいじゃん！映画見に行こうよ』
「ふはっ、了解です」
日課になりつつある、重岡くんとの放課後の寄り道。
最近はカフェだけじゃなくて、ショッピングモールにゲームしに行ったりとか。
いろいろ、幅が広がっている。
『重岡くん、傘ないでしょ』
「へへ、天気予報見るん忘れてて…」
『貸したげる。はい』
「え、先輩が濡れるやないですか！」
『じゃあ一緒に入る？』
「…入り、ます」
『あ、入るのね。どうぞ』
とんっと触れる肩。
重岡くんといるといつもドキドキする。
こんなに自分が意味不明なことを言うのも、変。
『大丈夫？肩濡れてない？』
「俺は大丈夫やって、先輩が濡れてます」
そう言って傘を傾けてくれるところとか。
重岡くんって本当に、優しいんだよね。
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凜憧(プロフ) - ぽてとふらい。さん» うん、ありがとうね笑 その言葉を励みに更新頑張ります(^ワ^=) (2019年7月29日 15時) (
レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - 好きです。(唐突)(話が好きすぎて言葉でない)(とりあえず告白を)(無理せずゆっくりでもいいから更新頑張れ)(待ってるで私は)もう一度、好きです。 (2019年7月29日 14時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
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