夏恋注意報《赤》

▽16 いつも通り ページ16

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「あ、来た」

『…小瀧、』

「しげなら教室返したで。
今にも死にそうな顔しとったから」

『そ、っか』

「後でちゃんと弁解しといてな。
しげ彼奴絶対なんか勘違いしてんねん」

『…ん。ありがとう』





後輩のくせに。

無理すんなよ、なんてイケメンっぽく生意気言うから肩を一発ぶん殴る。


案の定、小瀧は撃沈。

でもなんかスッキリした。





「いっ、たああっ！！」

『調子乗る方が悪い』

「調子なんか乗ってへ」

『ん？』

「…クソがほんま」

『おいコラ』

「先輩ほんまに女？」

『このどこを見て男だと？』





もはや名物になりかけてきている小瀧との言い合いにクラスはもう爆笑の渦。

なに笑ってんだおい。
こっちは怒っているというのに。


はあー…


このクラスにいると良くも悪くも悩みが飛ぶわ。





『あ、小瀧』

「なに」

『重岡くんに今日一緒に帰ろうって言っといて』

「えー、俺は？」

『電車違うでしょ』

「…」

『てことでよろしく』





なんか、やっぱり小瀧っていい奴かも。





「あ、先輩」

『なんだよ』

「しげとのデート楽しんでな」





語尾にハートがついたような言い方。


……前言撤回。





「うおっ、え、なにこれ。
………はあああっ！？」

『重岡くんから貰った』





イラつくからGのオモチャ投げつけとこ。

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