プロ野球と短いお話

見続けて De8 ページ20

ずっとずっとずーっとあいつしか見えてなかった。

小さい頃から一緒で、小学校も中学校も高校も一緒に通った。中高だとずっと一緒なんてと、からかわれることもあったけど、それでも良かった。
だって好きだから。別に良くない？


大学は、本当に迷った。

Aはずっと琉球大学に行って学校の先生になるって言ってて、俺が野球をやろうと思ったらAと離れることは確定みたいなものだったから。

陸は、「うじうじしてんな、兄貴」と言ってきたので取り敢えず叩いておいた。
姉さんは、「さっさと付き合って、妹を作って」とこれまた上から目線で言われた。でも歳上なので叩くのはやめておいた。


結果的に俺が選んだのは中央大学。Aとは、そこで離れ離れ。連絡もあんまり取らなくなって、帰省した時も会わなかった。


会うのはAを迎えに行くのに相応しくなってからって進学する時に決めてた。
毎日毎日野球漬けの生活で、辛いことだって沢山あったけど、何とかプロになれた。

もちろん、1番に連絡しようとしたよ、Aにね。だけど、そこでビビって出来なかったんだから陸に笑われても仕方ない。姉さんには呆れられてしまった。
だってさ、どうすんだよ、「彼氏がいるの。」とか言われたら。耐えられる気しねぇもん。


だから、あの瞬間は奇跡だったんだ。
キャンプに行って、声を掛けられた。別に珍しい事でも無かったから取り敢えず笑っとくかと思ってそっちを見たら、いるんだから。
相変わらず上手い口パクで、何とか約束を取り付けた。その後の練習でちょっとくらいカッコつけようとしたのは、仕方ないよな？



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あと1話だけ神里くん！
かっこいい神里くんは居ないので申し訳ない...

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