プロ野球と短いお話

俺を見てください De33 ページ16

雪さん request

「おーい、Aー？」

「ちょっと黙ってて。」

「そんなぁ……」

熱心にAが見てるのはテレビ。の野球中継の録画。のベイスターズの試合。の、俺じゃなくて、柴田。

「はーーー。柴田くん可愛い…」

「...柴田は結婚してるぞ「は!!!!???」あれ、言ってなかったけ？」

「聞いてない……嘘...柴田くん...私の柴田くん……」

え、めっちゃ凹んでる。一応、俺の彼女なんですけど。なんで柴田に奥さんが居て凹むんだ？まさか、狙ってたわけじゃないよな...？

「まぁまぁ、俺にしとけって。」

「いや、待て。不倫という道があるっ！」

「ないない。それに柴田、奥さんにベタ惚れだから絶対不倫とかしない。」

「くそぅ、なら養子縁組として...」

「お前、柴田の子供になるの？」

というか、お前の目標は柴田と血縁になることだったけ？

「はぁー、柴田くんとお付き合いしたい。というか生をみたい。頭なてなでしたい。お年玉あげたいし。ついでに筒香さんとの絡みも見たい。ああああ、」

頭なでなでしたいってお前より柴田の方が背がでかいし、お年玉あげたいって年齢から言ったらお前の方が貰う側だし(とは言え1つ違い)、最後の方言葉になってないし。

「じゃあさ、今度柴田に会わせてやるから、ちょっとお願い聞く気ない？」

「し、ば、た、く、ん、に、あ、え、る？」

「おう。会える会える。しかも生。どうだ。」

「よし、聞こう。」

チョロい。チョロすぎる。これは詐欺とかあっさりかかっちゃう系女子なんじゃ……。

「家の中じゃさ、俺だけ見てよ？柴田じゃなくて。」

「却下。」

「いや、早くね？」

ここは、女子としてはキュンとくる所じゃないんですかね!?

「だってそれだと柴田くんを愛でれない。私が柴田くんを愛でることが出来る場所なんて、球場と家しかないんだよ!?」

好きすぎる。柴田が好きすぎる。もうヤキモチとかそんな可愛い言葉じゃなくてこれは、心配になる。

そういえばこの間、カメラ買おうかなって言ってたな。柴田を撮るためだけに。

「じゃあ、せめて俺が家にいる間は。ね？」

「ぐぬぬぬぬぬぬぬ」

「嘘だろ、おい。」

その後、数時間に渡る話し合いの末、『俺が家にいて視界に入っているあいだは、柴田のことを考えない』という協定が出来ました。





(柴田くん、ナイス守備！)

(協定はどうした)

(今、智のこと視界に入ってないから大丈夫)

(嘘だろ、目の前にいますけど)

(私には柴田くんしか写ってない)

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