美味しいケーキ G49 ページ13
えりなさん request
家に帰ると甘ーい匂いが部屋中に漂っていた。
「また作ったんや。」
「うん!今日のは美味しいけんな」
自信あるけん、と笑顔で言うA。いつでも上手いんやけどな。
「じゃーーん!」
下手な効果音付きで俺の目の前に置かれたケーキ。茶色やけんチョコやろうか?
「チョコレートケーキ?」
「ちゃいますー。チョコやなくてガトーショコラやし!」
「なぁ、前から思とったんやけどチョコレートケーキとガトーショコラって何がちゃうん?一緒ちゃん?」
「……確かに...なんがちゃうんやろ。」
「気になるなぁ。」
そう言いつつ、美味しそうなケーキにフォークを入れる。
「うん、美味い。」
「そりゃ、どーも。」
Aはスマホでなんか調べてる。そんで、なんか見つけたのか声を上げて俺の方に画面を見せてきた。
「チョコレートケーキの中にガトーショコラがあるんだって。」
「どや。」
「ごめんねー。」
「反省してないやろ。」
「するほどの事でもないしな。」
「せやな。」
彼女の方もまた、フォークを入れて食べ始めた。時折、自画自賛しながら。
「うんうん、流石は私だね。美味しい。」
「美味しいな、このチョコレートケーキ」
「……かっちーん。」
え、それ自分で言う?
「美味しいやろ、このガトーショコラ」
Aも頑固だからこういうのには絶対のってくる。まぁ、俺もなんやけど。
でも、今日はそういうの面倒いわー。
「はいはい、美味いわ。このガトーショコラ。美味いけんさ、もっと美味しくして?」
「は?どうやって。」
ぽけーとした顔のA。そんなことしてると、可愛いお顔が台無しですよー。
「知りたい?」
「うん!」
「こーやって、美味しくするの。」
そう言って、ケーキの乗ったフォークを持つ手を引き寄せて口の中にケーキを放り込む。
「ん、美味い。」
してやったりというふうに笑うと、だんだんと状況が分かったのかAの顔が少しずつ赤くなっていった。
「おおお美味しくするって……」
「ん?美味しかったで?やったろうか?」
「結構ですっ!!」
そう言って、ぷいとそっぽを向いてしまったA。本当は食べたいんやろー?
「はい、あーん。」
お決まりの文句と一緒にフォークを差し出すと、我慢出来なかったのか、ぱくりと食いついてくれた。
「な?美味いやろ?」
「……当たり前でしょ。私が作ったんやから。」
はいはい、素直じゃないんだから。
96人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こころ - こころです!はじめまして!埼玉西武ライオンズの金子侑司選手のリクエストお願いしてもいいですか?年上彼氏って設定でお願いします! (2019年4月20日 2時) (レス) id: e8384e56c4 (このIDを非表示/違反報告)
さや - 梶谷選手が好きなので、パスワードの話は笑っちゃいました。カープの安部友裕選手の話をお願いします(彼は背番号6です) (2018年8月27日 6時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
とっぽ(プロフ) - 初コメント失礼します!いつも楽しく見させて貰ってます。リクエストなんですけど、今永昇太選手で、甘々彼氏っていうのをお願いします!これからも頑張ってください!! (2018年8月3日 23時) (レス) id: 5c3fe8aaca (このIDを非表示/違反報告)
ぺとる(プロフ) - 雪さん» requestありがとうございました。ヤキモチ、とは程遠いお話になった気もします…w ギャグ路線に走ったお話ですが楽しんで頂けたら幸いです。 (2018年3月6日 23時) (レス) id: ddc15b59fd (このIDを非表示/違反報告)
ぺとる(プロフ) - 彩凪さん» ご指摘、ありがとうございます!全く気づいていませんでした、お恥ずかしい…これからも何かあったらよろしくお願いします。 (2018年3月5日 17時) (レス) id: ddc15b59fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ