おやゆびひめの日常

雨天結構、だが寒い 10/15 ページ40

「寒っ!!」

『先にお湯入れるから、道具の手入れしてていいよ？』

「ありがとう。」

部屋の中に入って、トランクを入れて、即暖房。取り敢えず、ごうの体をあっためるのが最優先。
バスの中でも言ったけれど、他の部屋はちゃんとしているだろうか。

『ごうー？お湯入ったら先、入っててね？私、他の選手見てくるから。』

「おう。」

部屋を出て、順番に各選手の部屋を回る。まずは今日の(個人的な)ヒーロー。

『トモくーん。居ますかー？』

33「はーい、Aさーん。」

あんな場面で代打で出て、ホームラン打つなんて思ってもいなかった。しかも３ラン！あれで試合を決定づけたと思う。

『どうですか、体調は？』

33「ちょっと寒いです。」

『それはお風呂に入りましょう。それまではこれ、握ってて。』

33「うわぁ、カイロだ。」

天気予報で寒いだとか雨だとか言ってて嫌な予感がしたので、前日にスーパーを3軒くらい梯子して箱買いして正解だった。

特に今日は開始が伸びて、先発の今永くんにも使ったし、アップの後に手がかじかんでる野手にもあげた。その後、ブルペンにもあげて、コーチとか監督とか通訳さんにもあげた。

『あとは？怪我してない？』

33「代打で出て、ベース1周したら怪我しましたはさすがにww」

『分かんないよ？ベースを踏んで足をひねるかもしれないし。』

33「いや、大丈夫です。それより、足といえば自分のを気にしてください。」

『余計なお世話ですー。』

そう言いながら、トモくんの欄に丸をする。それから、よく寝るように、とだけ言って部屋を出た。

『次はー、梶さーん。』

お隣の部屋をピンポンすると、中からプーさんの声が聞こえた。

51「はいはい、ってAちゃん？どうしたの？」

『皆さんの体調管理です。』

3「元気だねー。」

『仕事なんで。』

51「大変だ。」

2人して一緒に片付けをしていたみたいで、今はバットを拭いていた。

『体はどうですか？』

「「疲れた」」

2人とも雨の中で何時間もプレーしてたもんね。お疲れ様です。

『私はマッサージ出来ないんで、ほかの人に頼んでください。ご飯の後にでも。』

51「そういえばご飯、何時から？」

『もう、準備してると思いますよ？小泉さんからLINE、入ってませんか？』

3「あ、入ってる。」

51「行くか。」

3「おう。」

2人と一緒に部屋を出て、次に行くのは桑くんの部屋。その後は、倉本さん、柴田くん、チャモさん、今永くん……

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