おやゆびひめの日常

つば九郎には譲らない2 8/27 ページ3

聞くと、つば九郎がごうに一昨日、昨日と打ちすぎたから、今日打ったら財布持って集合と言ったらしい。

『つば九郎大先生でもだめ。ごうは今日、私と帰るんです。』

「(なにおう!?)」

『ねぇ？ごう？』

そう言ってごうにギューッと抱きつく。顔がにやけてますけど。

「まぁ……。そういう事で、つば九郎。今日の飯はなしで。」

「(がーーーーーん)」

『いえーい！つば九郎大先生に勝った♪』

飛び跳ねているとつば九郎大先生がフリップにさらさとまた文字を書いた。

「(ちょうしのるな、A)」

『のってないし！つば九郎大先生こそ、ごうに振られたからって八つ当たりしないでー。』

つば九郎大先生のほっぺをギューッとつねって(まぁ、つねるものは無いんだけど)、怒る。

「まあ、その辺にしといたら？」

『仕方ない。許そう、つば九郎大先生。』

「(どうも)」

『また今度、ごうと一緒に行っといでね。』

「(あたりまえだ)」

「2人とも、なんで俺の約束を俺なしでしてるの」

あ。まぁでも、ごうなら行くでしょ。

案の定、行くけど、と答えが返ってきた。

「(ほらほら。カップルはかえっていちゃいちゃするじかんだよ。)」

『つば九郎大先生、なんか今日はいつも以上に僻んでない？』

「(きのせいだ。)」

「Aー。はやく帰るぞー。」

『あ、はーい。ちょっと待っててー。』

そう言ってからつば九郎大先生からフリップとペンを奪い取り、落書きをしてやった。

腕(？)をぶんぶん振って、返せアピールをしてくるけど無駄だー。

『はい！できた！じゃあね。つば九郎大先生！』

フリップとペンをポンッと投げて渡してから私はごうの所へ走った。

＊

「さぁ、つば九郎？今日はどんな一言が出てくるのかなぁ？」

「(このあいだあるカップルのいちゃいちゃを見せつけられました。)」

「ほうほう。カップルのいちゃいちゃ。」

「(悔しがっているとおんなのこのほうがあるものをくれました。)」

「いったいなにをくれたんだい？」

「(わたしたちふたりとごはんにいけるけん、をくれた。)」

「ご飯？つば九郎は行きたかったのかい？」

「(ぼくはおとこのこのほうとだけいきたいのにおんなのこがおとこのことすっといたいからってゆるさないんだ。)」

「ほうほう。その女の子はその男の子のことがとっても好きなんだねー。」

＊

山田「ていうんを、つば九郎が一言で言うてましたけど……お2人のことですよね？」

『あんの、畜ペンンンンン!!』

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