おやゆびひめの日常

つば九郎には譲らない 8/27 ページ2

今日も勝った！

これで今週は5勝1敗。この9月にこれだけ勝てたのはとってもいいこと。

だからか、チームの雰囲気も最高！ロッカーに入っていくとみんなが笑顔でこっちまで嬉しくなった。

『ごう！帰ろ！』

「あれ？今日は仕事ないの？」

これが私の彼氏です。日本の4番はベイスターズの3番だけど、それでもやることは変わらないと日々バットを振っています。

『川口さんが今日は特別にいいよって言ってくれたの。この1週間頑張ったからって。』

「そっか。なら、帰る？ちょっと待ってて。荷物片付けるから。」

『おん。』

小さな2段のロッカーの上に座ってごうが荷物を纏めるのを待つ。
もちろん、ロッカーだから着替えてる人とかもいるけど、まぁ気にならなくなったよね←
男兄弟いるし、免疫は元々あったのかも。

3「今日、ごうと帰るの？」

『あ、梶さん。はい！いつもですけどねー。』

29「えっ……」

26「Aさーん。尾仲が固まりましたー。」

『えっ!?』

大丈夫かい、尾仲くんよ。うちの期待のルーキーよ。あ、濱口くんもだけどね。若いっていいなぁ...

「A、準備できた。」

『ん。じゃあ行こっか。』

「おう。ほんじゃあ、お疲れ様でしたー」

『したー。』

かるーく返事をするとごうにぺしっと頭を叩かれた。

「ちゃんと言え。」

『はーい。』

＊

神宮の廊下を歩く。もう、３年目ともなれば最初の頃のように迷うことは無くなった。未だに東京ドームでは迷子になるけど。フハハハハ。

「あ、つば九郎。」

『え？あ、本当だ。』

前を見るとそこには怒り心頭のつば九郎大先生が。

「(ちょっときみたち、どこにいくつもりかな)」

『どこって……ごうと帰るんだけど。』

「(な!? つつごうくん！ぼくとごはんにいくやくそくはどうした！)」

『は？』

ご飯に行く約束？ごうの方を見ると少し苦笑いだし。

「(さいふ、すっからからんにしてやるっていっただろう！)」

「だって、俺、打点は稼いでないよ？」

「(でもうった！にあんだ！)」

『ねぇ？なんの話してんの？』

ちょっと目の前で意味不明な言い争いを続ける2人。私のこと忘れてんじゃないのか。

「あ、そっか。そん時A、ブルペンで濱口の投球練習手伝ってたもんな。」

『うん。今日は確かにブルペンで濱口くんのこと見てたけど。』

一体その間になにが2人の間にあったの!?



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次に続きますよー

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