◇29 ページ34
風呂の時間が終わり、りんねと十文字と六文は部屋へ戻る途中道を歩いていた。ドライヤーが無い為、皆髪の毛や毛がしんなりと垂れて色が濃くなっている。
「そういえば六道に六文、お前普段風呂入ってるのか?」
「もちろん。 そうでないとさすがに俺もやっていけん」
「当たり前じゃないですか。何て事聞いてるんですか十文字」
肩にかけたタオルを揺らしながら、十文字の質問に答える。自ら金を払って銭湯に行ったり、ピンチの時でも魂子のところで入らせて貰ったりと、日常的なことはわりと補っているようだ。
「りんねーっ!」
突然、高く可愛らしい声が聞こえてきた。壁に霊道が開き、見慣れた少女が顔を出す。
「
案の定、りんねに飛び付く鳳。迷惑そうな表情をするが、退けるのも面倒だ。桜もいない事だし、もうこのままでいいか、と諦めの息を吐く。
「りんねあったかーい!」
りんねの体に頬ずりする鳳。相手が嫌がっているのを察していないようだ。まあいつもの事であるが。
「いつにも増してかっこよく見えるわ〜。水もしたたるいい男ってまさにりんねの為にある言葉よね」
「ほう。 よくそんな言葉知ってたな」
「何よ失礼ねっ」
体に引っ付きながら十文字と軽くケンカを始める鳳。また始まりましたよー、と六文も呆れ気味に言った。うるさいし暑苦しいしでもう離れて欲しかったが、そのつもりは無さそうだ。誰かに止めさせてほしい気持ちでいっぱいだったが、仮に誰か来たとしても見えない人間にはどうしようもないことである……。
「ねえ君、
「はっ?」
突然の声に皆の間抜けな声が重なった。話しかけてきた見知らぬ彼を除いた、霊が見える体質のりんね達の。普通の人間に見えるのは、りんねと十文字だけのはずだ。なのに、何故彼には鳳が見えているのだろうか。
彼女は今、実体化する為の現実仕様のリボンをつけていないのに。
*
東峰には今、不思議でたまらないものが目の前にあった。喋る猫、突然壁から出てきた少女。その現実離れした現象に誰も突っ込もうとしない。隣にいる西谷すら気付きもしていない様子で東峰についてくる有り様で、頭にクエスチョンマークが現れ続ける。
「西谷」
「なんですか?」
あまりにも奇妙なので、聞いてみる事にした。
「あの女子に部屋戻れって言った方ががいいかな?」
「はっ?」
いかんせん、酷い返し方をされた。
20人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいloveあきら(プロフ) - 流れ星さん» その通りです。永華チャンがでかいだけです。 (2016年4月26日 22時) (レス) id: 93c1b013ec (このIDを非表示/違反報告)
流れ星 - 菅原くんってそんなに身長大きくないような…と思ったけど、永華さんがデカいだけな気がした。 (2016年4月26日 22時) (レス) id: ff41ad54a4 (このIDを非表示/違反報告)
愛吹(プロフ) - 流れ星さん» 閲覧、コメントありがとうございます! これから恋愛シーン沢山入れる予定なので私も楽しみです! これからも見て頂けると嬉しいです! (2016年4月26日 16時) (レス) id: a491fb7239 (このIDを非表示/違反報告)
あいloveあきら(プロフ) - 流れ星さん» コメントありがとうございます!国れん国いいですよね!!気が合いますね!!やったぁ!!!!! (2016年4月26日 16時) (レス) id: 93c1b013ec (このIDを非表示/違反報告)
流れ星 - 作品読ませていただいてます! これはもしやクロスオーバーでの恋愛成立……!?国見くんとれんげちゃんのカップルですか!? 私、クロスオーバーカップル大好きなので国れん、もしくはれん国おいしいです!!!ありがとうございます!!!!!!!!!! (2016年4月26日 15時) (レス) id: ff41ad54a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2016年4月13日 19時