−2−え……私の幼馴染が呪ってたんですか…？【乙骨憂太】

✿ ページ21

『ところで少年よ』とさり気なく話を逸らす。話を逸らされたことに気づいていないのか、それとも気づいた上で分かってないフリをしているのかは分からな………いやアイツそんな器用なことできなさそうだな(偏見)
これは気づいてなさそうだわ。




《何？》

『さっきは何故出ようとした瞬間切った？』

《あー、実はさっき病院で電話しようとしてたんだけど、看護師さんに外でしろって怒られちゃって》

『お前は馬鹿か…？？(困惑)』

《それで強制的に切られちゃってさー》

『前言撤回。お前は馬鹿だ(確信)』




《うわ、ひでぇ》と嘆いているが、病院で電話ってマナー的にも駄目だと思うわ。っていうか病院っつった？？？




『え、お前とうとう骨折でもして入院したの？』

《俺じゃねぇよ。入院したの爺ちゃんだし》

『嘘爺ちゃんとうとう入院しちまったのか』




タバコよく吸ってたし肺がんにでもなったんかなぁと推測しつつ、仮にそうだとしても何で急に電話を？と疑問に思う。それだけの用事でわざわざ電話をかけてくるもんなのか？普通、従姉には爺ちゃんの入院も知らせないといけないの？？



私が不思議に思っているのを察したのか、少し切り出しにくそうに話を続けた。




《俺まだ中3だろ？それで、爺ちゃんがちょっとAにこの提案を伝えてほしいって…》




そう言った従弟から"提案"の内容を聞く。《駄目だよな…》と不安そうな声を出す従弟に、クスリと笑いが溢れた。




『断るワケないじゃん』

《えっ！？でも…》

『渡りに船だったし丁度いいよ』

《提案の内容的にもそれはそれでどうかと思うけどな》

『わざわざ難癖つけんじゃねぇよ。うるせぇなお前』




そう軽口を叩きながら色んなことを話していると、いつの間にか時間が過ぎ去っていた。もうそろそろ終わるべきかな。電話の向こうで従弟もそう感じたのか、《んじゃ、今日はこの辺で》と話を切り上げる。




《じゃ、またな！A》

『おー。じゃあね…









＿＿＿＿＿悠仁』




そう告げて、私は電話を切った。

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