−2−え……私の幼馴染が呪ってたんですか…？【乙骨憂太】

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「で、Aちゃんは？」と憂太が目で聞いてきたので、どうせ違うのだからと開き直って感想を伝えた。




『全然人死なないし殺人鬼の"さ"の字も出てこないしつまんねーと』

「サスペンスじゃあるまいし恋愛映画に殺人鬼なんて出てくる訳ないじゃん…」

『そもそも、ケン(主人公)もアキ(ヒロイン)も知らない人だし』

「Aちゃん今映画とか漫画全否定したよね。フィクションって基本そういうものだからね？？？」

『そんな全然知らん人のことを好いた惚れたと言われましても』

「Aちゃんストップ。恋愛観バグってるAちゃんに聞いた僕が悪かったから」




お前めっちゃ言うじゃん。恋愛観バグってるとかどういう意味なんだよ！！！私は普通だわ！！(普通ではない)



いや別に映画とか漫画が嫌いな訳じゃないよ？むしろ好きなくらい。ただ、恋愛に関しては正直ピンと来ないんだよなぁ…。




「＿＿＿Aちゃんって、好きな人とかいるの？」

『え？』




しばしの沈黙の後、突如聞かれた質問に思わず？が頭に浮かぶ。何故このタイミング……とは思ったが、恋愛映画からの恋バナなら特におかしくはないか。好きな人……うーむ………………。




『一応いるかな(2次元の話)』

「嘘ぉ！？どんな人！？(3次元の話)」

『え？いろいろだけど(漫画の話)』

「そんなにいるの！？！？(現実の話)」

『いやだって、好きな漫画いっぱいあるし…。全部の漫画の中から1人だけ選べと言われても』

「……………ん？何で漫画？？」

『あれ今漫画の話じゃ………え？』




あれっ？あれれ？？とお互い首を傾げている内に、絶妙に会話が噛み合っていなかったことに気づいた。腐っても私達は幼馴染。噛み合わなかった会話に気づいた瞬間、お互いに顔を見合わせると声を上げて笑った。









(やはり私達に恋バナはまだ早かったようだ)

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