−2−え……私の幼馴染が呪ってたんですか…？【乙骨憂太】

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ヤベェバレた。冷や汗をダラダラ流しながら彼を見る。



現在進行形で私の腕を掴んでいる彼の名は伏黒恵。私の1個下の後輩で御三家の1つ、禪院家の血を引く将来有望すぎる少年である。控えめに言って爆ぜろ。



ちなみに滅茶苦茶美人な姉ちゃんを持っている羨ましい奴でもある。以前、『お姉さんを私にください』と言ったら「ふざけんな」と絶対零度の声で即答された。見た目にそぐわずシスコンだった。



そんな伏黒姉弟との出会いは少し前のこと。たまたま恵と任務が被ったことで知り合いになり、その流れで津美紀ちゃんとも仲良くなった。その数日後に津美紀ちゃんが呪われたと聞いた時は思わず膝から崩れ落ちたよね。私運悪すぎじゃね？？？何これ呪われてます？？



1回しか会ったことない私ですらショックを受けたのだ。血は繋がってないとは言え、家族だった恵のショックはどれほどだっただろうか。



私には彼の思ってることなんて分からないし、最初からフレンドリーな津美紀ちゃんと違って恵はツンケンしてたから友達というよりは友達の姉弟的な枠にいたけど、それでも知り合いだったから。会う度ひたすら話しかけ、任務で彼が怪我したら反転術式で率先して治し、給料日になるとご飯に誘って奢る……なんてことを繰り返している内に、どうやら彼も復活したようで。今では1人暮らしをしながら津美紀ちゃんのお見舞いにも行っているらしい。



だから、多分今日このショッピングモールにいるのも何かの買い物に来たからなんだろうけど。けど恵よ。




『腕、離してくんない…？』

「離したらAさん逃げるじゃないですか」

『嘘行動パターンが読まれてたんだけど』




何この後輩……怖…。



逆ナンしてたお姉さん達も、「何あの女」「影薄すぎて全然気づかなかったんだけど。地味子じゃん」とヒソヒソ話していらっしゃる。ところでどっちなのかな「一生彼氏できなさそうな顔」と言った恥ずかしがり屋さんは。特定次第お口を(物理的に)チャックさせてあげるね。



そして通行人の皆さんは、なんとビックリ気にもとめてくれない。ここでは逆ナンが日常茶飯事なのか？？私生まれて初めて遭遇したけどな逆ナン現場に。

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