−2−え……私の幼馴染が呪ってたんですか…？【乙骨憂太】

✿ ページ11

その後憂太を誘うと、まさかのOKがもらえた。お前本当に予定なくて暇だったんだな。そういう訳で翌日、2人で映画館に行く。




「それにしても意外だね、Aちゃんが恋愛映画を観るなんて」

『本当ならホラーとかスプラッター映画が観たかったんだけど、チケット貰っちゃったからさ。それにどうせタダだし』

「ああ……………そう言えばAちゃんそういうの好きだったね」




どことなく遠い目をしている憂太に首を傾げながら、私達は中に入った。









＿＿＿＿＿数時間後。映画が見終わり、近くのカフェで休憩していた私達。




「はー、さっきの映画面白かった。最後のアレは泣けたよね！」

『そ、ソウデスネ………』

「ひょっとして面白くなかった？」




コーラを飲みながら溜息を吐いていると、不安そうに憂太に顔を覗き込まれる。




『面白いというか……自分達さえ幸せであれば他人はどうでもいいというあの男女の考え方……。なんというか、人間のエゴを凝縮したような映画だったね』

「これハートフルラブストーリーのはずなんだけど？？」

『例えるとするなら、まるで地球は自分達2人のためにまわっているとでもいうような……自己中心的とでもいいますか……』

「Aちゃんもしかして違う映画観てた？？？」




「え、えーっと…そう、恋愛的！恋愛的に観たらどうだった？あ、さっきとは違う感想で」と再度憂太に尋ねられる。恋愛的？さっきのも恋愛的に観た感想だけど。恋愛的な違う意見……ねぇ。




『真面目な主人公が不良に毒されてどんどん不真面目になっていく映画？』

「これハートフルラブストーリーなんだけど？？」

『これは子供に見せちゃダメな映画だ。教育に悪い』

「ダメだAちゃん。恋愛に向かなすぎる」




私の答えを聞いた瞬間、そっと憂太が天を仰いだ。

✿→←Let's go映画！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す