OVERII7E (ページ33)

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_Eunseok × guleum

黄昏時、

夜の気配を纏ったような黄金色の夕日を背に、Aを自転車の後ろに乗せて走るというコンセプトで撮影を行っていた。

まだ日が沈みきっていないとはいえ、すっかり気温は下がっていて、制服姿のAが震えながら忙しなく動いているのに気付いて、膝掛けをAの腰回りにぐるっと巻いた。

『ありがとうございます...』

「マフラーもちゃんと巻いて」

Aが風邪を引くなんて事は絶対あってはならない。

自分が巻いていたマフラーもAに巻こうとすると、『過保護なウンソクさんですね〜』と能天気に笑う彼女に呆れて、誰のせいでこんなに過保護になってると思ってるんだと喉元まで言いそうになって飲み込んだ。

「A、ここ乗れそう？」

自転車の後ろのリアキャリアを顎で指すと、『ウンソクさんにぐるぐるに足巻かれたから乗れません』と口を尖らせるA。

まるで俺のせいみたいな言い草に思わず笑ってしまう。

「乗せてやるから肩に掴まって」

『..まって！どうやって乗せるの！？』

「...え？

俺がAを持ち上げる」

『え、無理無理、私めっちゃ重いし.......昨日ピザも食べちゃったし......』

「撮影の前日にピザ食うなよ....ㅋㅋ」

『えへ..』

えへ、じゃなくてさ。

というかどっからどう見ても、ピザを食べても食べてなくても、かなり細身なのに自分は重いからと言い張るAに、いやまず俺ってそんなに軟弱に思われてんのかよ？と少し腹が立つ。

(ああもう、埒があかないな)

「い〜からほら、持ち上げるぞ...せーの」

『いや！まって、ほんとにダメ..うわっ』

相変わらず抵抗するAの両脇に手を差し込んで、そのまま持ち上げて自転車のリアキャリアにゆっくり座らせると、両手で口元を隠して恥ずかしがるAと目が合って、耳まで赤いのに気付く。

『重かったでしょ..』

何をそんなに恥ずかしがってんだ。
想像以上に軽すぎて、驚いてるっていうのに。

それでも耳まで赤いAが可愛いくてどうしようもない。
自分の中にこんなにも可愛いと思える感情があるのにも驚き。

「重くない、てか軽すぎる

＿＿いい？漕ぎ始めるからしっかり掴まって」

そうして控えめに俺の腰回りに伸びて来た両腕と、背中に感じる体温に口元が緩む。

絶対にこの小さな手が自分から離れないように、

上から手を重ねて強く握った。

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