OVERII7E (ページ16)

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_ EUNSEOK side

『さあ！オッパ！行きましょう！』

「....っ..ゴホン」

日本でのオフ期間、温泉にでも行こうかな？と考えていたそんな時、Aから『サンリオピューロランド、一緒に行きましょう🥺？』と誘いを受けた。

普段カメラの前では“ウンソクさん”呼びのAは、プライベートでは“オッパ”と呼んでくるのに不覚にもときめいて、
咳払いでごまかす。

変化球は心臓に悪いからやめてほしい。

「...サンリオ...何だって？」

『サンリオ！ピューロランド！！！』

聞いた事ないな、俺の中でランドっていったらディズニーかエバーランドしか思い浮かばない。

「何するとこなんだ？」

その質問に、Aが前髪にとめた猫のピンを指差してにっこり笑った。

『キティちゃんの故郷です』

「......キティちゃんの故郷」

さっぱり分からん。でも前髪をキティって猫のピンで止めたAがめちゃくちゃ可愛い事は分かる。

そんなこんなで新宿から京王線に乗って30分。

サンリオピューロランドとやらに到着した。

『ぎゃー！かわいい( ; ; )オッパ写真撮って！！！』

「......すごいな」

想像を絶するメルヘンな世界に目眩がする。
周りを見渡せば圧倒的に家族連れと、学生の女の子たちが多い。

大層な門構え(言い方)の前で次々とポーズを繰り広げるAをひたすら連写した。

「ん～、かわいいね」

どんなポーズもかわいい、かわいすぎる。

『撮れた！？』

と駆け寄ってくるAに写真を見せるとお〜と唸ったあとに、『オッパ、自撮りは下手だけど人を撮るのは上手なんだね』と貶されたのか褒められたのか分からない感想を貰った。

『カチューシャつけて撮りたい』

「何つけても似合うよ」

『オッパもつけるんだよ？』

「え？」

困惑している俺の腕を引っ張り、半ば強引に入場。
うさぎみたいなキャラクターが印刷してあるチケットを手にして、その足でカチューシャ売り場に直行した。

豊富なラインナップだな..

無難に黒の耳がついたカチューシャを手に取ると、横からAに分取られ、その代わりありえない真っピンクの耳のふわふわカチューシャを手渡された。

「いや、俺のスタイルじゃな『コレカウ、アナタコレツケル』」

「仰せのままに..」

なぜか急にカタコト外国人になったAに、そのままピンクのカチューシャを頭につけられた。

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