七不思議の零番目【地縛少年花子くん】

漆頁目 ページ21

それからというもの
私は学校が終わった後、書庫に行くようになった
ただし
生徒の赤紗真霧ではなく
『こんにちは！土籠さん！』
1人の赤紗真霧として
｢先生をつけろ先生を｣
『嫌ですよー今の私は制服も着てないタダの赤紗真霧です』
｢屁理屈だな｣
『屁理屈でも結構です！』
ここに通って分かったことがある
まず先生は噂が好きだ
たまに噂を教えると文句もいいながらも喜ぶ
そして何でも食べる
この前は蝶食べてたし･･･なんか人の子も食べるって･･･本当かな･･･
あとべっこうあめが好き
この前たまたま持っていったら全部食べてしまっただから来る時は必ずべっこうあめを持ってくる
そして
先生は普のことを気にしてる
私もそうだいつか消えていなくなりそうで怖い
そんな風に思ってた
最初は腹黒いドSな人と思ってたけど･･･(まぁ今もそうなんだけどね･･･)
今は優しいところもあって何かと心配してくれる
私が霊感があることもあるんだけどいつも帰りは送ってくれる
怪異から守ってくれる
そうやって過ごしていくうちに
好きになっていた
先生としてじゃない
怪異としてじゃない
たった1人の"土籠"という1人の男性を好きになっていた
憧れでもない本当の気持ち(だって憧れる要素が点で無いしね)
でも分かってる
ダメなのこと
でも
でも諦められないんだ
いつか伝えられたらいいのに

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