今宵だけ【DAMA】 ページ9
「あ、ダーマさん」
BARの薄暗さの中、Aさんは華やかな
雰囲気を醸し出して、挨拶を俺にしてきた。
わずか、舌に残ったようなお酒をグッと喉に押し込み
「……うす」
愛想のない返事をする。
それでも、彼女はニコリと微笑んで
「隣、良いですか?」
と、耳に残る声で言った。
嬉しさを実感しながらも、コクリと頷く。
揺らめく長髪が BARに華を咲かせる。
…薄雲がかかった心を、ただ打ち壊していた。
「今日は、どうしてここに?」
「あー…飲みにきただけっすよ」
分かるはずねえだろうな。
俺の心境をデータで映し出すのならば、
�恋�で98%は埋まってる。
「Aさんは?」
「飲み直しに。マスター、バレンシアで」
「そ、うなんすね」
甘い物が好みだという彼女は、アルコールの少ないお酒を頼む。
俺の手元には、グレープフルーツジュースで割ったソルティ・ドッグ。
酸味と甘味という、何とも言えない好みの違いだ。
「ダーマさん、酸っぱいのが好みなんですか?」
「いや、シルクが好きだって言ってたんで」
「良いですね、仲が良くて」
仲が良い、か。
俺とAさんの関係も そこで止まっているんだ。
「全然っすよ」
「そんな、いつも楽しそうじゃないですか」
「いや…」
あいつらから、BARに行けって言われて。
�これ以上、俺の心を苦しめるな�
悲痛な叫びがこだました。
けど、その思いは 彼女といると消えてしまう。
「……ごめんなさい、ちょっと愚痴いいですか?」
それでも、きっと。
神は意地悪な奴だから、
俺の胸を 今まで以上に締め付けるんだろ?
「…なぁ」
「は、はい__?!」
彼女の頬を、片手でギュッと中心に集めた。
彼女は驚いた顔をしながら、固まっている。
「奪っても、いいよな」
舌で彼女の口をこじ開けて、舌と舌をとろりと絡めた。
まるで貪るように彼女をゆっくりと押し倒す。
胸板に添えた彼女の手が、胸を痛めた
「…だぁ、まっ…さん」
涙目。
ふっと彼女の唇から離れると、
銀の糸が俺らの間でぷつりと途切れる。
「何で泣いてんだよ」
「…ごめ、んなさっ」
誰に対して謝ってるとか、
ギュッと袖を掴む君とか、
もうそんなの
俺のエンジンをかけてるようにしか、
見えねぇから
「…バーカ」
また唇を重ね合って。
俺は、ただ…
今宵だけ、君と過ごしたい。
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今宵だけのお楽しみ
れやーと
この後どうしますか?1【マサイ】→←読者様、見て下さい。必読
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満葉 - 澪さん» そうですよ〜♪良くお分かりになりましたね! (2018年1月21日 0時) (レス) id: 0dfcacbbb4 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 参考にした音楽ってインタビュアですか?? (2018年1月18日 0時) (レス) id: 4d51c3f1ab (このIDを非表示/違反報告)
恋音(プロフ) - 満葉さん» そうです!満葉さんお久しぶりです!(*´ω`*) (2018年1月14日 9時) (レス) id: 2020f46edd (このIDを非表示/違反報告)
満葉 - 恋音さん» 当たりです!凄い!もしかして恋音さんって短編集書いていらっしゃる方ですか? (2018年1月14日 8時) (レス) id: 0dfcacbbb4 (このIDを非表示/違反報告)
恋音(プロフ) - メリュー!!ぺけたんに歌ってほしいですね!!(興奮気味) (2018年1月13日 20時) (レス) id: 2020f46edd (このIDを非表示/違反報告)
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