目の前に【Motoki】 ページ32
｢も、ありえない。ほんっとに、ありえない。｣
それしか、出てこない。
手にしたビールのジョッキを、ぐっとまた口に運んだ。
そんな私の頭には、アルコールが回って、
いい感じに、彼との思い出をゆらゆらとゆらめかせてくれるから、心地よい。
彼…とはいっても、
つい昨日、元彼になったばかりなんだけど。
｢Aのこと振るなんて、どんな神経してんだろうねそいつは。｣
カウンターの隣で、ちょっと怒ったように顔を顰めて言ってくれるモトキが、
私の傷を癒してくれるようで。
｢こんないい女なのにねーっ。｣
なんて、ふざけて言って笑ってみる。
すると、彼は、含むように苦笑いをしてから、
ビールをひと口飲んだ。
｢別にさ。いいし。もう、いいし。男なんて、ろくなやつ居ないし。｣
やけになって、言葉を並べてみる。
だけど、だからといってこの心の痛みがさっぱり消えるわけでもない。
あーあ。苦しいなぁ。
そう思うのも嫌で、口に出そうだったその言葉を、ビールで一気に胃の中へ押し流した。
それから、しばらく静かになって。
そう言えば、さっき、『男なんて、ろくなやつ居ないし。』と言ってしまったことを思い出して、
｢いや、モトキは別だよ？｣
と言って、そちらを見ると、
バチりと音がしたかと思うぐらい、タイミング良く目が合って。
さすれば、彼の唇が優しく動く。
｢Aさ。俺だけ、見てたらいーんじゃない？｣
私は、唇の緩やかな動きに見とれて、
私の心臓が跳ねてることに、ちょっとあとになって気がつく。
あぁ、もう、こんなの。
｢ずるいよ。｣
なんて呟くと、彼の微笑みを見ていられなくなって、目をそらす。
こんな、近くに。
新しい恋を、置いておかないで。
*:.｡..｡.:+・ﾟ・✽:.｡..｡.:+・ﾟ・✽:.｡..｡.:+・ﾟ・✽:.｡..｡.:
短編集、楽しい〜！
wakameでした！
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ビスコ(プロフ) - 参加したいです！ (2019年1月7日 14時) (
レス) id: 251e52ea6f (このIDを非表示/違反報告)
れやーと - きなこもち。さん» お久しぶりと言いたい所なのですが、記憶の欠片がどこかに落ちちゃったようでっ…！！！(ごめんなさい。もしかして消しちゃった作品とかにコメントしましたか…？？) 募集は終了しましたが、一応参加したい方はコメ欄に！と書かさせて頂いております。良ければどうぞ！ (2017年12月9日 20時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち。(プロフ) - どうもです！れやーとさんは覚えているか分からないですけど…如月梦です…もう募集終了しちゃいましたよね？^-^; (2017年12月7日 16時) (携帯から) (レス) id: 8d2e0e99a1 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと - ヨッシーさん» 初めまして、お祝いと共にコメントありがとうございます！続編もありますので、そちらでも順位を上げれたらなぁと思っています…！ (2017年11月24日 22時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
れやーと - みぃさん» 私の中では、過去最高となっています！！（笑）みぃ様も立派な編集者様ですし、どうぞ胸を張って言ってください(●´ω｀●)続編ももうすぐ作りますね！ (2017年11月24日 22時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
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