▲イチヤトマチガイ▼ ページ19
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その日の夜。大野が大学を出る時には大粒の雨が降っていた。
そういえば今朝の天気予報で夜から雨が降ると言っていた。
カバンに入れていた黒い折り畳み傘を取り出して広げる。持ち歩いていて助かった。
暗い空には光がなく、街灯だけが頼りなく照らす夜道を足早に家へと向かう。
さすがにこの時期の雨は冷たい。
寒さから逃れるように家の近所のコンビニへと足を踏み入れた。
適当に酒とつまみを買って外に出る。
未だ本降りの雨はしばらくやみそうにない。
再び傘をさして夜道を歩き出す。
自宅のあるマンションが見えてきて大野は少しだけ急ぎ足になる。
足元が完全にずぶぬれになっていたから早く着替えてしまいたかった。
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マンションに近づくにつれて、大野は正面玄関の前にうずくまる人影に気が付いた。
近づけば当然その人影も鮮明になっていく。
ある程度近づいたところで、大野はようやくその正体に気が付いた。
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「櫻井っ…お前、こんなとこで何してんだ」
雨に打たれたまま、昼に学校で見たのと同じ服装の櫻井がそこにうずくまっていた。
大野の声に顔を上げた櫻井は、生気のない瞳で大野を見上げた。
どこか虚ろなその瞳に大野は息を呑む。
「センセッ……」
ふらりと立ち上がった櫻井が倒れ込むように大野に抱き付いてくる。
大野のコートを握りしめた櫻井の手は大きく震えていた。
「どうしてここに……つーか、どうしてせめてエントランスに入ってなかったんだよ！」
今心配すべきことがそれなのかわからないが、抱き付いてきた櫻井へととりあえず傘を差し掛けながらそう言ってみる。
「ねぇ、センセ……」
「どうした」
「抱いて」
「……っ」
「襲っていーよ、センセ……」
涙と雨にぬれた瞳が大野を縋るように見上げた。
苦しげにゆがめられた表情に、何があったのかと聞く勇気は大野にはなかった。
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破紅(プロフ) - 磁石真紀さん» ありがと〜！うんそうそう、実はね、笑 お楽しみいただけて何よりです。また次もよろしくねー、笑 (2014年12月5日 16時) (
レス) id: 13f7586b48 (このIDを非表示/違反報告)
破紅(プロフ) - ゆらさん» 感想ありがとうございます。二人のキャラクターを読み取っていただけてとても嬉しいです。あ、キャーってなっていただけました？笑 智さんにはあのセリフを言ってほしかっただけなんです← 最後までお付き合いありがとうございました！ (2014年12月5日 16時) (レス) id: 13f7586b48 (このIDを非表示/違反報告)
破紅(プロフ) - 櫻野さん。さん» ありがとうございます。キュンキュンしていただけたのならよかったです♪お楽しみいただけたようで大変光栄です。頑張らせていただきますので、またよろしくお願いしますね、笑 (2014年12月5日 16時) (レス) id: 13f7586b48 (このIDを非表示/違反報告)
破紅(プロフ) - ひまりさん» ひまりさん、最後までお付き合いありがとうございました！大野さん格好良くなってましたかね？それならよかったです。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね♪ (2014年12月5日 16時) (レス) id: 13f7586b48 (このIDを非表示/違反報告)
磁石真紀(プロフ) - 完結おめでとう!先生智と生徒翔、うんよかった(//∇//)潤さんは高校の先生だったのか!その設定にちょいとビックリ(°д°)次回作も楽しみにしてるよ〜 (2014年12月4日 11時) (レス) id: a3c79f05ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nil | 作成日時：2014年11月8日 15時
