？？？ [大切] ページ17
「落ち着いたか」
気分転換にと外に出ると､出入口近くの花壇に岡部が座っていた｡
「はい」
「そ、良かった」
愛おしそうに花々を眺める岡部の眼差しに思わず頬が緩んだ｡
それから少し気まづそうに俺の事を見、また逸らした。
「…気になりますか」
俺の言葉にビクッと肩をふるわせた彼｡図星なのだろう｡ごめん、と謝られ首を横に振る。
「いえ｡何で泣いたのか､俺にもわかんないんで」
何故か涙が溢れて､何故か悲しくて苦しかった｡
理由なんぞ分からない。
「そっか……」
太陽が雲に隠れ､影が差す。
「…俺、なにか大切なものを失ったような気がするんすよね」
「大切なもの、ねぇ…」
ぴゅう、と爽やかな風が髪をかきあげる。心地いい。
「取り戻したい？それ」
花を眺めたままの岡部はそれとなく俺に言った。
「はい」
自分にとってものすごく重要なものだった、ような気がする。
乱れた髪の毛を手ぐしで整えていると腕になにか黒いものが着いているように見えた。
「ん…？」
ボタンを外して袖をめくると、そこに現れたのは
「なん、だ、これ…」
油性ペンでびっしりと文字が羅列していた。
少し汚くて所々読みにくいから､焦っていたようだ。でもそれは確かに俺の字だった。だけどこんなの書いた覚えない。
「何？」
岡部が興味深そうに俺に近寄ってくる。と、ただ事では無い空気を感じたのか、すっと表情をしまった。
俺は急いで目を走らせた。文字のせいか、こちらまで焦っていた。それに加えて内容だ。想像を絶することが書かれていて嫌な汗が吹きだす。
岡部の顔も真剣だった。そして、文章の中についに見つけたのだ、大切なものーー否、大切な人を。
「イ、ンジさ……ん」
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MUGI - 虎のすけさん» ありがとうございます！コメントは励みになるので嬉しいです笑 (2022年3月30日 23時) (
レス) id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
虎のすけ - お久しぶりです。作品すごく面白くて大好きです！続きが気になり過ぎます…！無理せずMUGIさんのペースで頑張ってください。応援しています！ (2022年3月30日 20時) (レス) id: 0fdf869e64 (このIDを非表示/違反報告)
MUGI - MOKKAさん» ありがとうございます！更新遅いですが必ず完結させますので！ (2022年2月5日 18時) (レス) @page15 id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
MOKKA(プロフ) - はぁ…最高…！！（←語彙力どこいった）続き楽しみです！ ハッピーエンドになっても、バットエンドになっても好き…！ (2022年1月26日 16時) (レス) @page11 id: d9dd59fc63 (このIDを非表示/違反報告)
MUGI - 自分でも「は？」みたいな感じになってきました…笑。分かりずらかったらすみません！なんとなくで、なんとなくでいいです… (2022年1月23日 20時) (レス) id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MUGI | 作成日時：2022年1月7日 14時
