『暗闇の堕天使』復讐・雷門編ー剣城京介ー (ページ10)

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010 京介の不安ページ10

*

突然、明兄の声が長い廊下に吸い込まれる

「__ この、馬鹿！」
「さっきの、優一にバレるところだったぞ！？」

「……悪い」

「__ ったく、お前は... 」

俺は京介の髪を、クシャッとした
京介は、少しふさぎ加減で言った

「__ 明兄、今日…雷門にアイツが来た」

コイツを見て、直ぐに分かった

--------- アイツが、来たのだ

聖帝の側近で、エリートシードのアイツが…

「…いよいよ来たか、気をつけろよ？」
「奴は、凄く強いぞ」

俺は、京介にプレッシャーを掛けたつもりは
ないが、奴の事を京介に忠告した

「__俺は、どうしたら… 」

言葉に詰まる俺に、明兄が後ろから
背中を押す

「京介らしくねぇな、大丈夫だ」
「自分に自信を持てよ、」

「そんなに、アイツが怖いか？」

「…そ、そんな事は！」

「お前、決めたんだろ…京介？」

「…くっ」

少し震える拳を、ギュッと握り締める京介

精神的な圧力に負けそうになる京介を見ながら
俺は、奴の偉大なる存在を京介に伝えた

” そう、雷門には……アイツが居る ”

「それに雷門には、アイツが居る」
「大丈夫だ、アイツを…信じろ」

「… 」

「__それに、上手くいけば」
「流れが、変わるかもな… 」ニヤッ。

「えっ…明兄？」

一瞬、聞き返す京介
直ぐに、俺は話しを切り返した

「__ いや、こっちの話しだ」
「とにかく、奴が動いたって事は… 」

「本気で、雷門を潰す気だぞ京介」

「…… 」

「奴の動きを、監視してろよ」
「俺は見守る事しか、出来ないがな…」

「__ じゃ、何かあったら連絡しろよ？」
「いいか絶対に、無茶だけはするなよ！」

「分かった明兄… 」

そう言って、京介は少し下に俯き
長い廊下を帰って行った

俺は、京介の後ろ姿を見ながら
ズボンのポケットから、携帯を取り出し

……アイツに、電話を掛けた

「__ 俺だ…今、大丈夫か？あぁ… 」