『暗闇の堕天使』復讐・雷門編ー剣城京介ー (ページ41)

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041 孤独で眠れない夜ページ41

*

私は皆の事を、傷付けてしまい
祐樹まで、危ない目に合わせてしまった

後悔の念が、私を押し潰す

私はベッドから、ゆっくりと起き上がり
震える手で、自分自身を抱き締めた

『皆を巻き込んで、私はこれから…』
『どうしたらいいか…分からない』

『もう、サッカーはしたくない』
『私はコレで、色々な人達を傷付けて来たんだ…』

ポタポタ…と、涙が白いシーツに滲んでいく

私は拳を握り締め、思いっきり自分の足を叩いた

『サッカーで、人を不幸にするのなら』
『サッカーなど、無くなってしまえばいいー！』

「北條！？」

『もう、フィフスセクターやお父様の指示には』
『従いたくない！』

『私が、私さえ居なくなれば！』
『指示に従わなくていいんだーー！！』

「やめろ！北條」

剣城の止める声を聞かず
私は髪を振り乱し半狂乱で自分自身を傷付けていた

暗闇で強張った手を、空中で泳がせ
掴み所のない……孤独を掴もうとした時だった

ガシッ！

『！？』

「__ んな事、言うな…よ」

私の強張っていた手が、空中で停止した

私の耳元で囁く様に、言うアイツ__
私の身体を、ギュッと強く抱き締め

私を、優しく包み込んでいた…

剣城の温もりが、私の濡れた頬に触れる
剣城は私を孤独の闇から現実の世界へと引き戻した

『…剣…城』

「それ以上、言うな！」

俺は何時の間にか、無意識の内に
北條を抱き寄せ…抱き締めていた

『……うっ…っ』

「…… 」

やはり、コイツは女だ
抱き締めた瞬間、体が華奢な事が分かった

こんな重大な事を

女一人で、やろうとしていたのか…？

この重圧を、コイツは今まで
一人で孤独に背負ってきたのか……

「お前が居なくなったら悲しむ奴だっている筈だ」

『！？』

『私には…誰も居ない…』
『誰も…いないんだ！』

俺の服を、強く握り締め
俺の腕の中で叫ぶ北條…

感情が乱れ、冷静さを失っている
俺はそんな北條を宥め言った

「折角、祐樹が助かったのに」
「お前が居なくなったら、祐樹が悲しむだろ？」

「北條が、祐樹を助けたんだ！」

剣城の一つ一つの言葉が、私の心に響いた

「確かに俺達のサッカーは人を傷付け不幸にする」

「でもお前が祐樹から教えてもらったサッカーは」
「そんなんじゃない筈だ」

「だから祐樹の為にも、そのサッカーを守れよ」

「お前が守らなければ__ 」
「祐樹も将来、俺達みたいになるぜぇ…？」

「それでもいいのか…？北條」