『暗闇の堕天使』復讐・雷門編ー剣城京介ー (ページ38)

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038 素直な自分ページ38

*

薄暗い部屋に、淡い橙色の光りが
ベッドに横たわる北條の顔を

優しく…照らし出していた

「…… 」

俺達は、看護婦に案内された病室に居た
あれから、一時間は過ぎただろか…

北條は、まだ意識を失ったままだった
俺は椅子に座り、北條の意識が快復するのを

ただ見守り、見続けていた時だった

北條の表情が一瞬、俄かに揺らいだ

長い眉が、微かに動き
漏れ出す途切れる声が、静かに病室に流れた

『…うっ…ん』

「__ 気が付いたか、北條」

『…此…処は？』

「病室だ、お前気を失って倒れたんだぜ」

…聞き覚えのある低い声が、私の名前を呼ぶ
薄らぐ意識の中、私は再び静かに眼を閉じて

その人物を把握した

__ それは、剣城だった

『そうか、私は倒れたのか… 』

私は、もう意地を張らず
奴に素直な自分を、さらけ出していた

『剣城__ 』

「何だ？」

私は、一つ気ががりな事があった
私は恐る恐る…剣城に聞いてみた

『ま……松風は』

「__ あぁ、松風か？」

「アイツなら、大丈夫だ」
「さっき、寝息立てて寝ていたぞ」

『…そうか、良かった』

私はホッと、胸を撫で下ろした
１番気がかりだったのは、松風だったからだ

アレだけ、シュートを喰らっていたから…

「あぁ、あと円堂が今日はこのまま全員」
「病院に泊まる様にと、言っていた」

「だから、そのまま寝てていいぞ北條」

『…全員？お前もか、剣城』

「あぁ、そうだ」

『__ 意外だな、お前が円堂の言う事を聞くなんて』

「…し、仕方ないだろ、」
「円堂が、そうしろって言ったんだ」

「多分、病院の周りは監視されているから」
「むやみに今、動かない事だと言われたんだ」

少しぶっきらぼうに言いながら
剣城は、そっぽを向いた

__ 気のせいだか
奴の顔が、赤くなっているのに気付いた

『どうした？剣城』

「…//な、何でもない！」

俺は顔を手で覆い奴の視線から逸らした
俺の顔が、熱く火照っていくのが分かった

俺は輸血の時の事を、急に思い出したからだ

……俺はコイツと、一緒に

この部屋で、寝れるのか！？