『暗闇の堕天使』復讐・雷門編ー剣城京介ー (ページ21)

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021 北條の迷いページ21

*

教室から出ると、廊下の壁に

寄り掛かっている、剣城の姿があった

私は無言で、剣城の目の前を
通り過ぎ様とした時だった

珍しく剣城の方から、声を掛けてきたのだ
奴の心が、私の心に鋭く抉り刺す

「__ おい、北條」

「お前…気を付けた方がいいぜぇ？」
「お前の行動、全部見られているぞ」

『えっ…？』

私は、ゆっくりと奴に振り向き
今の話を、聞き直そとした時

『何を、言って… 』

剣城の鋭い眼を見た瞬間、私は全てを悟り
私の体が、少し微動だした

『！？』

その私の動揺した姿を見ていた剣城が
鼻でフッと、笑いながら言った

「__まぁ、せいぜい気を付けるんだな、」

「その行動が……命取りになるぜぇ」

ニヤリと、不気味な笑いをしながら
剣城は、私の横を通り過ぎ去って行った

窓から差し込む、柔らかい日差しが
剣城の姿を何時までも照らし出していた

私は、長い廊下を歩く剣城の背中を見ていた

『アイツ、私の行動を監視していたのか… 』

『剣城に、知られたと言う事は』
『フィフスセクターに、報告したのか…？』

『だとすると、当然お父様にも… 』

実際、私は迷っていた…

私が今まで、教えられてきた
教育・思考・サッカーが

間違いである事に、気付き始めたからだった

だから、まだ私は……

雷門を、潰してはいなかった

いや、出来ないと言った方がいいだろう

アイツらを、見ていると
祐樹の姿と、重ね合ってしまう

本当に、サッカーが好きなんだと…

でも私は、自分を素直に表現が出来ない

私は、色々な人達を傷付てきた
今も重い罪悪感だけが、心に残っている

この事を、フィフスセクターや
お父様に知られてしまったら

大変な事に…なってしまう

あの組織は、どんな汚い手を使ってでも
確実に、潰しに掛かってくる

それは、私がその組織の人間だから

一番、よく知っている

だから、やはり私が__

あの白と黒の組織が、雷門に立ち塞がり

出でくる前に……

私が、雷門を潰した方が良いのだろう