2話なんて、なかった。勘違いだろ? ページ3
【side A】
珍しく、国木田さんが顔を出していた。
『島崎探偵事務所』
此処の名前である。 異能開業書も持っている、荒事専門の探偵事務所。 横浜の武装探偵社とも提携している。
「うちの社に来んか? ……あらゆる面で突っ込み役が足りん」
やれやれ、と眉間を押さえる国木田さんを労いつつ、突っ込み役が足りないのはこちらもなんだ……とやんわりお断りする。
この世の中、何処もかしこも突っ込み役は足りないらしい。
「で、今回はどんな厄介事で?」
「先ずは、うちの社の自 殺
今日の、国木田さんのユーモアのセンスは上々だった。 で、本題は?と目線で促す。
「白紙の本の1頁が盗まれて、この周辺に持ち込まれたらしい。 と、異能特務科のエージェントから依頼を受けた……が」
なにか酸っぱい顔をしている国木田さん。 そう云えば__
「「此奴、誰なんだ?」」
「あ、ようやく気づいた?」
例の
「僕は松尾芭蕉! ばしょーでいいよ!」
「そうか、松尾くん。」
私は、哀しい目で彼を見る。
ご退場願うと云わんばっかりに背中を押して、扉の目の前に立たせた。 ここからはお仕事の時間だ。 お子様は帰れ。
「あ、そう云えば。」
私は松尾くんを椅子へと移動させ、抹茶と煎餅をだした。
「話を聞こうか、ばしょー君」
鮮やかな変わり身だった。
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←1話なんて、きっと誰かの勘違い。
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作者名:レン | 作成日時:2018年4月11日 21時