一寸した面倒事と五話 ページ7
とぼとぼと依頼された場所まで行ってみると、無駄に高そうな黒塗りの車があった。何だったかな……暗殺依頼だっけ……?
「久しぶりですね、Aさん」
「悪ぃ帰るな」
「待ってくださいよっ!」
丸眼鏡がピカピカ光っていて、オールバック。目の下にはクマ。徹夜は……なんだ。五日目か。
「『元』異能特務科のAさん?善い加減戻ってください。困ってますから」
「やだ。仕事多いし」
Aから逃げた後、坂口と会って異能特務科に能力を見込まれて仕事をしていたのだが、給料と仕事量が見合わなくて辞めたという過去がある。
「貴方が居ると僕の睡眠時間が伸びるんですよ……」
ずっと眠そうに栄養ドリンクの空ビンを振っていて此奴寝てないぞアピールをしてくるのやめろ。
「……嫌だって云ったら?」
「貴方を無理矢理にでも攫います」
うわー。車の中に護衛さん居るじゃん。逃げられる気がしないわ。というか俺要らないじゃん。
「……今日はスカウトだけが要件ではありませんからね」
「うおっと」
坂口は目つきを変えた。此処からは、表沙汰にできない『何か』があるのだろう。俺は耳を貸す。
「鼠の掃除を」
俺の、俺の身体の主の因縁の相手の話だった。
□□□
「……ああは云ってるっスけど、坂口先輩Aさんのこと好きっすよねー?」
フーセンガムをパチンと割った。護衛の一人__二つに髪を結わえている方だ。軽い口調でもう一人の、寡黙そうな大柄な男に問う。
コクリと軽く頷く護衛に、問うた方の彼女は満足そうだった。
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あ - あの頬に傷がある少年はカルマという子ですよー (2023年1月12日 23時) (レス) @page16 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2018年7月27日 21時