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一寸した転機と九話 ページ12

『……く……ドス……ドスくん!聞こえるかい?』

「はい、聞こえています。如何せ、Aさんが逃げたのでしょう?」

『え、何で分かったの?』

「安心して下さい、手は打ってありますから」

ツーツー……と通信回線が途切れた音が、ゴーゴリの耳に残った。

ただ、彼女さえ居れば。

Aさえ居れば、構わないのに。

□□□
現在逃亡中!最近運が悪いと思ったらこれかよ!ぶっ殺すぞっ!

床のトラップを難なく超えつつ、アクロバティックな動きで敵を翻弄する。異能力【花吹雪】のおかげで精度の上がった射撃も要因の一つだ。

「……と、こんなもんか」

敵を全員倒し、出口と思しき扉を開ける。

其処には___

「教会?」

そして、花婿姿のドストエフスキーが居た。如何いうこっちゃ。

「婚約の契りを結んでもらいます」

「……は?」

パチン、とドストエフスキーが指を鳴らすと教会が暗転する。すると髪は整えられ、動きずらいウエディングドレスへと変えられていた。

純白とは、如何にもむず痒い。

「一目惚れ、です」

あれだ、夢小説でよく見る(妖笑)って奴だ。

イケメンだが、いかんせんやり方が最悪だな。

ステンドグラスから光が漏れ、神秘的な教会の中、タキシードのドストエフスキーが笑っているのは一寸癪だった。

一寸した結婚式の崩壊と十話→←一寸した逃亡劇と八話



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- あの頬に傷がある少年はカルマという子ですよー (2023年1月12日 23時) (レス) @page16 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2018年7月27日 21時

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