vol.4 ページ6
エ「どうだ?」
俺は、少女を閻魔宮殿の裏にある山の頂上に連れてきていた。
ここには樹齢何千年だかの桜の大木がぽつんとそびえ立っている。
表情の乏しい少女が桜並木を見た時、一瞬表情が緩んだように見えたのを思い出して連れてきたのだが…
A「…綺麗です」
少女が柔らかい表情を見せた。
どうやら当たりだったらしい。
エ「名前…」
俺の呟きに少女が振り返った。
その顔はもとの無表情に戻っていた。
エ「お前、名前なんていうんだ?」
A「姫や姉姫と呼ばれています」
エ「そうじゃねぇ、お前自身の名前だよ」
A「私の…名ですか?」
エ「あぁ」
少女「…Aです」
少女は、誰も呼ばない、自分でさえ口にすることがほぼない名を口にした。
エ「『A』。良い名だな」
俺が名前を呼ぶと驚いたように目を見開いた後、はにかむような笑顔を見せた。
その笑顔に俺の胸がドキッと一つ高鳴った。
11人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蓮(プロフ) - 遥日さん、読んで下さりありがとうございます。ご指摘通り原作では知っていることでしょう。ですが、この話では知らないという設定にしました。設定を説明しきれなかった点は申し訳ありません。何故知らないかについても後々お話として書けたらいいなぁと思っています。 (2019年11月23日 0時) (レス) id: 02ae2f4e33 (このIDを非表示/違反報告)
遥日 - アマテラスの一人娘ならエンマは知っていると思うんですが…。イツキの守護神?は、アマテラスなので (2019年11月22日 20時) (レス) id: ec4cfccb6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蓮 | 作成日時:2019年11月21日 11時