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涼介side
『っ、はぁ……』
数分前。
はっ、と気づいたら、部屋にある窓の鍵に手を伸ばしていて。
振り返ると、ぐちゃぐちゃのベッドの下にはタオルケットが落ちていた。
時計は10時を指している。
…………ない。
1時間ほど前から、さっきまでの記憶が。
いつものことだと言われれば、それはそうだけど
『……も、やだ…』
空白の時間が……
自分の記憶にないその時間に、また、誰かを……
自分じゃないその時間にいた自分が、
震えが治まらない手が、身体が、
怖くてたまらない。
『ひぅっ、…っ……、』
どうすればいい？誰か、
誰か助け……、
「だい、＿＿＿ら、＿＿＿え＿、……」
俺の汚い手が、大きくて温かい手に包まれる。
でも、
涙で誰の手かわからない、声は途切れて聴こえない
ただ、今は意識を保つことだけで精一杯なんだ。
「りょう＿＿＿、きこ＿＿＿＿？＿＿＿、ゆうや＿＿＿＿る？」
ゆうや……雄也だ、雄也の声だ。
傍にいる人がわかると段々周りの音が聴こえてきた。
『ふ、っ…ゆーや……、』
雄也「うん、雄也だよ。涼介、一緒にゆっくり息してみようか」
雄也の深呼吸に合わせて、むせながら呼吸をする。
いつの間にか雄也は隣に移動していて
俺の背中を擦りながら、もう一方の手はまだ繋いでくれている。
でも、まだすぐ近くにいる恐怖は消えない
痛みは感じないくせに、苦しくて。
気を抜いたら暗闇に落ちていきそうな感覚になって
雄也のいる方へ縋り付くように倒れ込んだ。
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Rio(プロフ) - お話大好きです！続き楽しみにしてます！！ (2023年1月2日 15時) (
レス) @page26 id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - 楽しく読ませて貰ってます！続きが見たいです！ (2022年7月8日 12時) (レス) @page26 id: 3da430cefd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いのきんぐ | 作成日時：2021年8月29日 22時
