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大貴side
カチャリと軽い音を鳴らしたシャーペン
近くに落ちたから何の気なしに拾おうとした、
涼介「あ、……」
慧「っ、ちょっと待って涼介触んないの」
床に向けた顔を隣に向けると。
『あちゃ、切れた？』
手に取ったシャーペンにも血がついていて。
涼介は、血だらけの人差し指をじっと見ていた。
嫌な予感がして、視界に入るように顔を覗き込んでみたけど、
………フラフラと彷徨う目は何かから逃げていた。
涼介は、" 先天性無痛無汗症 " という難病を患っている。
名前の通り、生まれつき 『痛み』を感じない、汗をかかない。
時々なぜか羨まれるこの症状を
特に『痛み』が感じられない自分の身体を
涼介は酷く嫌っている。
誰かが血を出したとき、自分が血を流すときも
パニックを起こしてしまう涼介を何度か見てきた。
でも、パニックには他の理由があるみたいで
その理由を知らないのは、どうやら俺だけ。
……信用されてないのかな、なんて思ったりするけど。
結局踏み込んだ話はできないでいる。
とりあえず怪我の処置かな……、
目をうすめて涼介を見ていたいのちゃんと目が合う。
" おさえて "
いのちゃんの指示通り、
いつ立ち上がって感情を爆発させるかわからない彼の
両手首を握った。
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Rio(プロフ) - お話大好きです！続き楽しみにしてます！！ (2023年1月2日 15時) (
レス) @page26 id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - 楽しく読ませて貰ってます！続きが見たいです！ (2022年7月8日 12時) (レス) @page26 id: 3da430cefd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いのきんぐ | 作成日時：2021年8月29日 22時
