四十一 死の家の鼠 ページ40
軍刀を手にかけながら振り返る。
昼下がりの路地の中…紫水晶の目と露西亜帽子が良く目立つ男がいた。
「貴方は全て間違っている。」
『……何が云いたい?』
「…貴方に遠き因縁を持った人が全て貴方の栄光、賛辞全て奪いに行く。」
「孰れ分かりますよ。」
『魔人も賛辞や栄光何て本当に必要と思うの?』
貴方が全て分かっているのは唯一枚の小説の頁に過ぎない。
____貴方が生まれてさえ居なかったら____
そんな言葉を横目に白鯨が未だ居ない海を見つめた。
『鏡花ちゃんかい?嗚呼、ちょちょいと通信を弄ってね。
少し御話をしよう。』
《でも私はきっと英雄には成れない…私は闇でしか生きられないから。》
誰かが歩いている様に波は揺れ踊っている。
『でも君は人を救いたい…違うかい?』
《…私も、光になれる?》
『否…人を救いたいと思っているなら、もう君は
光になっているよ。』
《…》
『根拠は簡単…闇に居た私もなれたからだよ。
刀を振るう力しか無かったけど、光に居たいと思い続けていた』
《貴方も、?》
私は小説を
『諦めないで、絶対…じゃあ、"また会おう"』
私は通話を静かに切った。
『______いつか海の見える部屋で…か』
立ち上がるところ…見覚えのある探偵姿の男が目に入った。
『おや、乱歩さんもですか?』
「此処は良い景色だからね…駄菓子も沢山あるし!」
やがて時間が経ち、雷雲から日が出てきた。
ある一つの無人機が白鯨に追突し、大出力で白鯨は叩き落とされた。
帰ろうとした時、乱歩さんに引き留められた。
「…君は何者だ?」
『この世界が好きな人。』
「僕と同じ超越者…面白い推理対決になりそうだ。」
『貴方には勝てないですよ。』
そして一日後__
〜探偵社入口〜
草木が孰れ枯れるように…日は落ちて、やがて昇る。
入口前で緊張した鏡花ちゃんと敦くんの後ろに回り込んだ。
『わっ!』「「!!」」
「…吃驚した、」『却説、鏡花ちゃん準備は出来た?』
鏡花ちゃんは扉の取っ手をゆっくり握り、扉が横へと開いた。
癇癪玉が鳴る音が響いた。
「せーのっ!」
"鏡花ちゃん、入社おめでとう!"
国木田さんと社長が親子の様に鏡花ちゃんを心配してた。
国木田ままが計算機を持って青い顔色をしていた。
『鏡花ちゃん!兎のお餅食べる?』「…うん!」
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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月22日 14時