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三十五 黄昏 ページ34

建物を渡り歩く音が響く…私は"ある"事に気が付いた。






下を見ると黒煙が立ち上り、女の子が泣き声を上げている。







あれ…車が事故ったのか…






"残ったのは血肉の匂いと打ちのめされた私だけが残っていた。







気付けば叫んでいた____。転生なんてこと忘れてた。







私の大切な両親だから…死 んで欲しくなかっただけなのに"






気付けば近くに寄り添っていて、女の子の顔色を伺った。





『…君、大丈夫かい、親は?』






「…」




少女は静かに車を指差し、目に涙を浮かべた。







『大丈夫さ…生きてる否、死 なせない。』








私は車を異能を使い、腫れ物を扱う様に静かに車を持ち上げた。







『泣いても大丈夫、生きてるよ。』






出来れば、使いたくない…使えば…何かを喪う。





私は彼女らの両親を抱き抱え、少女の手を静かに握った。





『泣いても大丈夫…貴方を救う方法は貴方の涙しか無い。』







…晴れた様だ。




雲から漏れ出る光を横目に、少女を軽く撫でた。






その後、警察署へ行き、事情を説明した____。











『おっいたいた…太宰さーんっ!敦くーん!』






「おや…行こう敦くん、助け舟が来たようだよ。」




後ろ日が眩しいのか日差しに手を重ね、私を見つめた。




階段を一段一段駆け上がり、外を見た。




『ったく…後片付けは探偵社と特務課の仕事だね。』



「…ある作戦を思い付いたんです、皆からは論外な作戦かも知れない…


でも、僕にはそれが僕の血と魂が示す唯一の正解に思えてならないんです。」






「どんな作戦だい?」




「協力者です、彼等はこのヨコハマで最も強くそしてこの街を守りたがっています。」




「ギルドと戦っていく上で協力者としてこれ以上の組織は有りません。」




「…その組織の名は?」




「_______」



『…賛成だよ』













"頭は違っても血は間違わない"
「光と風と夢」









『…頁か』










白虎は全ての異能に抗う者____龍は異能の本来の姿。







点と点が線を結んだ。

三十六 夢→←三十二 本当の顔



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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月22日 14時

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