三十二 本当の顔 ページ33
車が停止音がして…そこから出てきたのは懐かしい顔だった。
「何年振りですかねぇ…太宰君、連絡を貰った時は驚きましたよ。」
「やぁ安吾、元気そうじゃないか」
そう言いながら歩み私は腰に掛けてある銃を取り出し、安吾に向けた。
「よく来たねぇ…安吾どうして思ったんだい?」
"私がもう君を許している"と
「なんてね、どうせこれも弾を抜いてあるのだろう?」
冗談交じりに銃を捨て、薄目で微笑んだ。
何故許していると思ったのだろう。
「ご要件は?」
「三十五人殺 しと……Aの出生だ。」
「出生?貴方が一番知っているのでは?」
「異能力犯罪組織と取り締まるのが特務課のお役でしょ。職務怠慢は良くないなー」
「ギルドの行動は我々も把握しています。」
風景を横目にあるちっぽけな考え事をした。
「知ってて放置したって事かな?」
「連中は外交筋から圧力をかけ、構成員に外交官同等の権限を付与させました。」
軍警や特務課は手も足も出ない状態…
なら、探偵社なら?
結局は引き分けにしか出来ない戦局。
そして最初の一手は…
敦くんか
「最早彼等は法の外の存在…法執行機関は組合を拘留する事すら出来ません。」
急に安吾は停止を押し、私に告げる。
____此処しか無い。
「太宰くん、逃げて下さい今すぐ!そして____」
「安吾…?」
もの凄い轟音が耳に響き…警報音が車に唯一つ残された。
四日後
『…敦くんがギルドに誘拐された、鏡花ちゃんも逮捕されている。』
「…敦がぁ…!?」
取り敢えず国木田さんには手形が付いていたので縛っておいた。
もごもごしていたけど気の所為だろう、気の所為だ
きっと…いや、絶対的対立組織かな
「こんな力、欲しいと思った事なんて一度も無い…っ!」
「なのに何で僕ばかりこんな酷いことが起こるの?」
「神様は誰にでも平等じゃないの?」
「そうだねそれがこの世界なんだ、だから本当の事を教えるよ_」
…正直、良いとこ取りをしている様で良い気はしない。
血が垂れるまで強く握り締めた。
窓をガラリと開け、身を乗り出した
そっか、お野菜も食べちゃ駄目なら
『うぉ〜…一丁前に街を守っちゃって、悪も善も紙一重…かな』
異能力_暁月 "落椿"
触る所を間違えれば首をへし折り、怪我をさせる。
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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月22日 14時