十九 〇ッポ=独歩 ページ20
憔悴している彼を横目に国木田さんの頭に上げてある眼鏡を見つめる。
『…』
「狼狽えるな…確かにポートマフィアの暴力は苛烈を極める。だが動揺するな、動揺は達人も殺す…師匠の教えだ。」
『「手帳が逆さま…/ですよ」』
あっ…これ反対に書いたなと考えていると徐ろに国木田さんは立ち上がり、此方へ寄ってきた。
「俺は動揺などしていない!マフィア如き俺が倒すっ!!」
説明がてんやわんやしているが…
『でも本当に大丈夫さ…何の為に私達が集まり、今日も戦っているか答えは明白な筈だよ。
だって私はそんなところに憧れたから。』
「奴はきっと来るぞ…お前が招き入れた事態だ最悪の状況になりかねん」
「自分の出来ることを考えておけ…」
「ところで小僧、さっきから探しているのだが…
俺の眼鏡を知らんか?」
無機質な音が響く中_。
私は乱歩さんとの面識を改めていた。
『そう云えば…江戸川乱歩?と云う人はどんな人なんだ?』
「乱歩さんの事か…?乱歩さんは世界一の名探偵で…駄菓子が好きだ。」
探偵って格好良いよね〜…そう考えていると…向かいに黒煙が立ち上り…
轟音がキーボードを打つ音を塗り返すように鳴り響いた____,
『…扉の予備用意しといてね。』
冗談交じりに話しながら、軍刀を触る。
ま、扉壊されるのは事実だし…違い無いか。
耳を澄ませ、足音が聞こえてきた。
『十三人か…機関銃も持ってる。』
「失礼…探偵社なのに
車が交差する音と共に溜め息を吐き捨てる。
「…はぁ」
過ぎったのは孤児院"だけ"の記憶。
当たり前なのかもしれない…脳に根強く爪痕を残しているから。
「__僕の行く所なんて…何処にもありはし無い。」
何の為に私達が集まって居るのか…答えは明白な筈だよ。
彼女が発せた言葉が今もなお、頭を悩ませる。
分からない。
僕が何故…此処に居るのか
突如聞こえる銃声__。
振り返り、方向を確認すると…被害を受けているのは探偵社だ。
急いで扉を開ける。
また僕の所為で…皆がっ…!
「やめろ__っ!!」
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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月22日 14時