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十六 黒蜥蜴再臨 ページ17

__調査の依頼__


今世紀最初で最後かも…いや、何回も体験したが…



森さんと太宰さんの気持ちが分かったかも知れない。



眩しすぎるッ…艶のある癖一つ無い髪、大きい目、華奢な身体…



樋口ちゃん、可愛すぎるよ!



脳内が樋口ちゃんだらけで依頼の内容が入って来なかったが、



敦の初任務と云う事で私と谷崎さん達が行く事になった。



この後の地獄を知っているからこそ、回避せねばならない。


<で、私に協力を仰いできたって事ね…まぁ良いけど何で自ら蟻地獄に入っていくのか私には到底理解出来ないわ。>



『絶望こそ、人間の行動の原理だからさ…君が一番理解してると思うけど?』


『それじゃ、私が信号を送ったら来てね。』













<それを止める為に来たんだけどなぁ…>


その呟きは、彼女の耳へと届かず、何処かに消えた。





「矢っ張り飛んでもない所に入っちゃったなぁ…」


「まぁまぁ、僕でも続けられる位だから、大丈夫ですって」


『そうだよ、敦くんは正義感が強いからきっと向いてるよ!』



いちゃついている内に目的地に着いた様だ…警戒して、写真を取り、静かに腕に憑依させた。



『可笑しいね…本当に此処なのかな?』


「えっと、樋口さん密輸業者と云うのは臆病な連中です…だから必ず逃げ道を用意します、此処袋小路ですよね?」


「通り方がそっちから来たら逃げ道が無い…」


谷崎さんが淡々と説明し終わった後、樋口さんはバックを床に落とし、


髪を結び、サングラスを着けた。


「失礼ですが…嵌めさせて頂きました…目的は貴女方です!」

路地裏は袋小路…うーん、異能の使い所だが…雪国を使って…否、あれは羅生門には効かないだろう…


「芥川先輩…予定通り捉えました。」



『ナオミさんっ!避けて!』


散弾銃の閃光が舞う…そして____その閃光はナオミさんの身体を突き抜けていた。


さっさと信号を送り、私は異能を使う。


異能力_暁月


汚れちまった悲しみに


「兄様…大…丈夫?」



『落ち着け…貴方達を重力で浮かし、探偵社の前へ必ず届ける…』



混濁している谷崎さんの頭へと銃口を向けている。


「貴方が戦闘要因でない事は調査済みです…健気な姫君の後を追って頂きましょう…」


「あ"ぁ…チンピラ如きが…よくもナオミを傷付けたね____?」


異能力_細雪


「敦くん…Aちゃん…奥に下がって居るんだ…此奴は僕が殺す"____!!」


『異能力_雪国』

十七 銃弾 ※イラスト有→←十五 珈琲



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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月22日 14時

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